100winds_banner01 第17回

師岡武男 (評論家)
 
 

 日本のように生産能力が高くて勤勉な人の多い国で、国民が豊かな経済生活を実現することは、常識で考えれば、少しも難しいことではない。経済生活とは、生活に必要なモノ(財物)とサービス(役務)を生産・供給して消費することである。

100winds_banner01第16回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆日本の財政政策の決まり文句の一つに「子孫にツケを回すな」というのがある。財政赤字対策の国債発行は、親の不始末を子孫に負担させるものだという「警告」である。子孫に迷惑をかけたくないという、いかにも日本的な「親心」向きの殺し文句である。ではそれは本当に適切な警告なのだろうか。違う、という結論をまず言っておこう。

100winds_banner01第15回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆国民生活の安全・安心確保の立場から参院選挙の争点を考えると、身近な生活については経済をどうするか、やや長期的な大問題として安保関連法、平和憲法、沖縄基地のあり方をどうするかなどの政治課題、の二つに括れるのではないか。

100winds_banner01第14回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆天災と人災が引っ切り無しに起こりながら、その予防策も修復事業も遅々として進まない。安倍政権は、デフレ克服・経済優先を言いながらその成果は乏しい。本気の目標は新安保体制と憲法改正のようだ。このありさまを見ていて痛感するのは、政治の最大の課題と争点はやっぱり「生活」の安全・安心の確保に絞って議論すべきだということである。

100winds_banner01第13回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆世界中の政治、経済、社会が荒れ模様の中で、私たちの日本はどうなるか、どうすべきか、という不安感が国民の間に広がっているのではないだろうか。世界の中の日本ではあるが、日本が自主的にやれることはやるべきではないか、と考えたい。

100winds_banner01第12回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆2015年の実質賃金が4年続きのマイナスになって、改めてアベノミクスの行き詰まりが注目されている。恐らくこれからも、賃金、物価、経済成長などの、どの数字も停滞を続けるだろう。国民全体が貧しくなっていく中で、貧富の格差が拡大していく、という情けない姿の経済になる様相だ。

100winds_banner01第11回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆安倍政権の政策を大まかに政治政策と経済政策に分けて観察してみると、どちらにも刺激的で興味深い言葉が並んでいるのだが、それぞれに、つじつまの合わない内容があって「成り行きを注目」せざるをえない。

100winds_banner01第10回

師岡武男 (評論家)
 
 

◆消費税の軽減税率のための財源の「穴埋め」が大変だと言う者がいる。穴埋めとは、一体なんのことか。どこにどんな穴があいたのか。消費税の新しい山(3%の増税分)に、小さな窪みができただけである。穴が掘られたとすれば、法人税の減税などである。(別の適切な応能型増税で新しい山を造れば、消費税という山は全部つぶせるだろう。)新しい大きな消費税の山にできた小さな窪みを見て、穴をどうするとか騒ぐのは、おかしくないか。自分が造った新しい山に、小さな窪みを掘ったことが、大善政であるかのように宣伝する政党にも、騙されたくない。

100winds_banner01第9回

師岡武男 (評論家)
 
 

  政府の政策や政党の公約に対してよく使われる「選挙対策」という評言は、たいてい褒め言葉ではなく、貶し言葉として使われる。「人気取り政策」となると、もうはっきりした悪評だ。来年の参院選挙が近づいて来たので、最近またマスコミと政冶家がよく使う。悪評の趣旨は、票を金で買うような不当な利益供与だとか、口先だけで空約束の嘘の善政だ、などである。要するに、動機不純な善政、悪政、あるいは嘘つきなどという「泥」のついた「レッテル」にされてしまったのである。

100winds_banner01第8回

師岡武男 (評論家)
 
 

 政府の政策への反対論があると、政府やその応援団が言う決まり文句は「なんでも反対」ではなく、責任のある代案を出せ、という逆襲だ。これが、世論対策としてかなり有効なセリフだからである。ただし、この論法が役に立たない場合もある。前国会の最大の争点だった安保法案などはそれだ。有力野党は、法案の撤回こそが代案だったからである。

100winds_banner01第7回

師岡武男 (評論家)
 
 

 8月30日の国会前を埋め尽くしたデモの写真を、新聞やテレビやネットで見た人は、まず「凄いな」と感じただろう。年配の人なら「60年安保以来だ」とも思ったに違いない。人数については、主催者発表の12万人と、警察の3万人とは開きが大きいが、各種の調べによると、国会周辺に来た人の延べ人数は12万人が事実に近いようだ。前日には安保法案支持のデモも都内であって、500人程度だったという(讀賣新聞)。人数で民意を計るなら、この二つを比べるべきだろう。

100winds_banner01第6回

師岡武男 (評論家)
 
 

 経済問題について、明るい話題はほとんど見聞することができなくなった。というより、暗い話ばかりである。生産面では、日本など先進国の停滞と中国など発展途上国の成長頭打ち、分配面では貧困と格差拡大の貪欲資本主義のグローバリズム、それらを包み込んでいる資本主義経済行き詰まり観の広がり―これが今の経済環境だ。

100winds_banner01第5回

師岡武男 (評論家)
 
 

 5月の消費関連経済指標(速報値)を、前年同期と比べて点検してみよう。名目賃金は0.6%増加、消費者物価は0.5%上昇、実質賃金は0.1%減少、実質家計消費支出は4.8%増加となった。この読み方はちょっとややこしい。実質賃金がマイナスになるのは、厚生労働省が物価で割り引く際の物価指数が「総合指数」よりも高い0.7%上昇だからだ。この状況はほぼ4月並みだが、消費は4月よりも大幅に増えた。これは、昨年5月が8%の激減だったためで、消費水準自体は低いままだ。

100winds_banner01第4回

師岡武男(評論家)
 
 

  4月以降の物価、賃金の数字が要注目だ。なぜかというと、1年前と比べて、物価では消費税による値上がり分が共通となり、賃金はアベノミクスによる増額分が上乗せされるからだ。つまり消費生活面からのアベノミクスの素顔が見えやすくなるのである。

100winds_banner01第3回

師岡武男 (評論家)
 
 

  2015年度に入った。国民の生活にとって、アベノミクスの行方は大きな関心事の一つだが、もっと直接的に医療、介護などの社会保障の悪化の心配がある。国民全体に、安心・安全への不安感が広くただよっているのではないか。しかもその悪化のしわよせが自治体に押しつけられそうである。