委員会のネット中継を検討 西東京市議会運営委員会

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2017年4月19日

西東京市議会のネット中継ページ(クリックで拡大)

 西東京市議会本会議のインターネット中継に加え、委員会の審議も配信するかどうかの議論が始まった。4月14日(金)に開かれた議会運営委員会(佐藤公男委員長)が取り上げ、5月12日の次回までに各会派の意見を取りまとめることになった。

 この日の委員会は、2010年から実施しているネット中継について、各委員の感想や意見を聞くことから始まった。

 保谷七緒美なおみ氏(自民)は「まず本会議中継を検証してほしい。私の周囲でも(ネット中継を)見ている人がいることは知っているが、私自身はみていない」。藤岡智明氏(共産)は「ネット中継の検証が必要だ。私自身はまだペーパー(議事録)に頼っている。(インターネットの使いこなしが)課題だと思う」などと述べた。

 山崎英昭氏(みらい)は積極論。「ネット中継はやってよかったと思う。議会が市民に開かれていることが大事だ。委員会中継もやるべきだ」と述べた。森信一氏(民進)も「検証は必要だが、中継することが重要。われわれ(議員)ではなく、市民のために中継が必要かどうか考えたい」。加藤涼子氏(生活者ネット)は「傍聴に来られなければネット中継を見てくださいと市民の方々に伝えている。聞きやすくて分かりやすいと好評だし、過去の映像にもアクセスしたいとの声が出ている」などと話した。

 大林光昭氏(公明)はネット中継が正式な記録でないことに触れながら「(正規の)議事録が出来上がるまでは何回か見ている。ただ費用対効果の問題は避けて通れない。そこはどうなのか」と述べた。

 議会事務局によると、今年度は本議会場や委員会室の音声システムを更改する予定。さらに映像システムを加えた場合の見積を次回に説明することになった。

 このほか委員会に多い「休憩」を映像に含めるか、本会議と同じように録画を発言別に整理して掲載するか、次の議会が始まったら配信を中止するか、なども話題になった。

 各議員の話のなかで、ネット中継の影響は思わぬところに及んでいることも明らかになった。森輝雄氏(無所属)は「ネット中継は有効に使われている」と推進の立場を明らかにしながら、「それ以前に多かった傍聴者が(中継実施後は)激減した」と話した。納田さおり氏(無所属)も「中継は、開かれた時代の当然のこと」としながらも「傍聴者は減った」と語った。

 

(クリックで拡大)

 

 配布された資料によると、本会議のネット中継のうち、ライブへのアクセスは初めの2010年度が1593件、翌2011年度は1780件、その後もほぼ横ばいが続き、2016年度は1712件だった。録画映像へのアクセスは2010年度が2万5523件となり、ライブ中継より16倍も多かった。2014年度からは3万件を記録。2016年度は31852件となって、同年度のライブ中継の18.6倍を超えるほどになった。

 議会事務局によると、ネット中継が始まった翌2011年、委員会の中継を望む陳情が出て検討したが、数百万円の費用がかかるなどから「時期尚早」として不採択になった。その後も取り上げられたが、中継方法や費用問題があって議論が続かなかった。

 議会事務局によると、多摩26市議会で、委員会もネット中継しているのは立川、調布、町田、国立、多摩、小金井の各市議会。立川市は常任委員会のほか予算特別委員会なども中継。多摩市はさらに代表者会議や全員協議会も配信している。

 このうち独自システムで配信している市議会が多いけれど、多摩と小金井の2市は、ネット映像配信大手のYouTube を利用している。費用は無料。

 多摩市議会事務局によると、YouTube 利用の録画配信は2014年10月から。基本は「費用を掛けないネット中継」。それ以前に利用していたUstream社が仕様を変更し、録画映像は掲載30日以降は有料、広告挿入などになるため切り替えた。2015年9月定例会からライブ中継も始めた。

 

多摩市議会のyoutubeチャンネル(クリックで拡大)

 

 「傍聴者が見聞できる遣り取りは基本的に中継する」方針。ほぼすべての委員会、全員協議会も中継に含まれ、委員会の「暫時休憩」中の話し合いも収録したまま配信する。そのため職員がその日の映像をアップするだけ。編集作業はほとんどない。事務局担当者は「公式記録は議事録。ネットの機会中継は『試験配信』という位置付けです」という。説明ページの最後に「予告なく終了することがあります」との注意事項が載っていた。

 小金井市議会も今年の4月から、Ustreamを中止し、YouTubeに配信を変更した。その理由について担当者は「企業広告を押さえることもあるが、(中継配信ページに)接続できないことがあったので変更した」と話している。映像は業者に委託することなく、職員が当日配信を済ませている。

 多摩市、小金井市のほか、福岡市、小樽市、流山市、鴨川市、鳥羽市などが議会中継でYouTube 利用している。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・西東京市議会議会インターネット中継(西東京市Web
・多摩市議会のインターネット中継(多摩市議会
・小金井市議会インターネット中継・録画配信(小金井市議会
・立川市議会議会中継(立川市議会

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