こもれびホールで避難訓練つきコンサート 震度6強と火災を想定

投稿者: カテゴリー: 環境・災害文化 オン 2017年5月22日

 

椅子の間に屈み身を守る聴衆(こもれびホール、筆者提供)

 西東京市にある保谷こもれびホールで5月20日、コンサートの最中に災害が発生したとの想定で、「避難訓練つきコンサート」が開かれた。親子連れなど聴衆約180人がホール職員の指示の下、真剣な表情で訓練に参加した。

 午後2時、コンサートが開かれた。東京ニューシティ管弦楽団の演奏が始まってすぐ、場内に警報音が鳴り響き、「緊急地震速報です。強い揺れにご注意ください」とのアナウンスが流れた。建物がガタガタ揺れる疑似音と同時に、身を守る指示が出された。「震度6強の地震が発生しました。椅子の間に屈んでください。カバンで頭を守ってください」

 続いて火災報知器が鳴り、スタッフが火元を確認した後、聴衆らは係員の誘導で順に屋外に避難した。

 

コンサート中に地震発生(西東京消防署提供)

 

 建物の外では西東京消防署の隊員やはしご車などが待機。同ホールの自衛消防隊長は、消防隊に「火元は舞台楽屋給湯室。初期消火不可でした」などと報告した。

 避難を終えると、聴衆らはホールに戻り、金管5重奏で知られる「戦いの組曲」やウェストサイドストーリーのメドレーなどの演奏を楽しんだ。

 参加した親子は「本当に災害が起きたみたいで緊張しました。子どもも真剣そのものでした。良い体験ができてよかった」と笑顔を見せた。

 また、同消防署による初期消火体験、応急救護体験、はしご車搭乗体験などの消防防災体験イベントも開かれた。

 

はしご車に乗ってみた!(筆者提供)

 

 今回で5回目となる避難訓練つきコンサート。こもれびホールの田中大介館長は「お客さまを安全な場所に誘導できてほっとしています。普段から災害対策の心づもりはしていますが、実体験して自分の役割を認識して動けることが大切。今後も訓練を続けていきたい」と話した。

 同消防署の長沢享署長は「聴衆の方と一緒に身体保護、避難誘導などの実践的な訓練ができたと思います。ホールの自衛消防活動も適正でした。繰り返し訓練することが重要。日常の防災行動にも役立つと思います」と話していた。
(柿本珠枝)

 

【関連リンク】
・避難訓練つきコンサート ~東京ニューシティ管弦楽団メンバーによる金管アンサンブル~(保谷こもれびホール

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

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