保谷庁舎を解体し、田無などに分散配置を 西東京市の行革推進委が「暫定案」

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2015年2月17日

 西東京市の二庁舎統合問題で、保谷庁舎を解体し、田無庁舎などに分散配置する「暫定案」が、[2015年]2月16日(月)に開かれた西東京市議会の全員協議会で明らかにされた。今年の3月までに市が公表する庁舎統合方針の内容があらためて注目される。

 

保谷庁舎

解体を迫られる保谷庁舎。2014年12月撮影

 

 西東京市行財政改革推進委員会(委員長・横道清孝政策研究大学院大学副学長・教授)が、このほどまとめた「公共施設等総合管理計画策定に向けた基本的な考え方に関する提言書」の最後で、「特定課題に対する付帯意見」として庁舎問題を取り上げた。その中で「保谷庁舎を解体し、保谷庁舎機能を保谷庁舎周辺施設と田無庁舎敷地に分散配置する『暫定的な対応方策』が、客観的に見ても合理的な対応策」としている。

 その理由として(1)保谷庁舎の老朽化や(田無庁舎との)二庁舎体制に伴う財政負担、市民サービス、業務効率への影響を考えると早期に結論を導くべきである(2)「庁舎の位置や統合の時期、市民サービスの維持等に関する合意形成には時間を要する」と指摘し「保谷庁舎の耐用年数は切迫した課題」と述べている。

 西東京市は2001年(平成13年)、保谷市と田無市が合併して誕生。両庁舎を生かす二庁舎体制を維持してきた。保谷庁舎は1968年の建設。耐用年数は50年とされ、目安の2018年は3年後になる。

 「付帯意見」は庁舎の位置について「市民感情や市全体の配置バランスを考慮することが重要であり、西東京市が対等合併した経緯を踏まえると、市中心地域との考え方もあるが、現時点では適地もない」と釘を刺し、「引き続き新たな用地での統合案の実現可能性を検証すべきである」としている。

 続けて、公共施設管理の基本的な考え方は「総量抑制」と「有効活用」だとしたうえで、庁舎統合問題は「(西東京市)中央図書館・田無公民館の耐震化等の課題への対応と一体的に検討すべきである」と踏み込み、田無庁舎と隣接している中央図書館・田無公民館と併せて検討するよう結んでいる。

 全員協議会は文字通り「協議」の場。市側の説明に質問と意見表明がされるにとどまった。しかし午前中いっぱい費やされるなど関心は高かった。

 出席した議員からは「この『提言』や『意見』を出した行財政改革推進委員会とはどんなメンバーで構成されているのか」「30年、40年先を考えて議論したのか」「暫定的な対応と言いながら、これでは保谷庁舎統合案をなくして、田無案と新用地案の選択を迫る内容ではないか」などの発言が出ていた。

 昨年3月公表された庁舎統合方針(素案)は保谷庁舎統合、田無庁舎統合(2案)、あらたな用地への統合の4案併記。同年4月以降、市民説明会、パブリックコメント、意識調査などが実施された。

 2月27日(金)から西東京市議会の第1回定例会が開かれる。近く公表される市の統合方針内容に関心が集まることは間違いない。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・公共施設等総合管理計画策定に向けた基本的な考え方に関する提言書(西東京市行財政改革推進委員会、平成27年1月)(西東京市Web

 

 

北嶋孝
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