Print This Post Print This Post

「いじめ認知」は小中で前年度比4.3倍、「不登校」は微増 2016年度西東京市小中学校調査

By in 市政・議会, 子育て・教育 on 2017年11月23日

 西東京市内の公立小中学校で、2016年度の「いじめ認知」件数が小学校18校のうち17校で300件、中学校全9校で35件の計335件となり、前年度比で計257件増えて4.3倍になった。不登校は17小学校で45人、中学校は全9校で151人の計196人となり、前年度より4人増にとどまった。暴力行為は0件-。11月21日の西東京市教育委員会で報告された「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査報告」で、2016年度の西東京市の児童生徒の「問題行動」状況が明らかになった。

 

 増えた小学校の「いじめ認知」

 「いじめ認知」件数のうち、小学校が300件と前年度より241件も大幅に増えた。中学校は35件で6件増だった。

 増えた理由について市教委事務局は、2015年度にいじめ防止対策推進条例が策定され、市、教育委員会、学校、家庭、地域住民、関係機関などの連携でいじめ防止に本格的に取り組んだことを挙げたうえで、「各校の生活指導主任を対象にしたいじめ問題スペシャリスト研修を実施し、いじめ防止月間も年3回(6月、11月、2月)設け、各校でいじめ防止に対する意識向上が見られた」と述べた。認知力の向上が件数増加に結びついたと受け取れる説明だった。

 東京都が発表した調査結果によると、都内のいじめ認知件数は、小学校が1万3946件で前年度3557件より1万0389件増の3.92倍、中学校は4029件で前年度比1335件増。小中合計1万7975件、前年度比3.79倍となり、西東京市だけが多くなったわけではない。都調査も4倍近い増加理由に言及していない。

 いじめは認知された後、どうなったのか。関係者の取り組みを示す「いじめ解消」状況も数字が出ている。

 文科省は「いじめの解消」は「謝罪」すれば終わりではなく、「被害者に対する心理的、身体的物理的な影響を与える行為が少なくとも3ヵ月止んでいる」状態としている。このため年度途中で「3ヵ月」に満たず、集計上は「未解消」だった「小学校12件、中学校1件」も含めて、現在「(いじめは)全て解消している」と報告された。

 発見の切っ掛けは、小学校の場合「アンケート調査など学校の取り組み」が46%を占めて最も多かった。中学校は「当該生徒の保護者からの訴え」が23%、「アンケート調査など学校の取り組み」が17%だった。

 いじめの態様は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多く、小学校で49%、中学校62%だった。小学校では次に「ぶつかられたり遊ぶふりをして叩かれる、蹴られたりする」が30%、中学校では「仲間はずれ、集団による無視」が28%となった。「パソコンや携帯電話で誹謗中傷など嫌なことをされる」は小学校が1件、中学校は2件だった。

 

 中学生の不登校が多くなった

 不登校の状況も明らかになった。2016年度は小学校が17校45人、中学校は全9校151人だった。前年度より小学校は10人減ったが、中学校は14人増えた。

 不登校の児童生徒数を在籍者総数で割った「出現率」は、2016年度の小学校が0.48%と前年度比0.11ポイント下がったのに、中学校は3.77%となって0.38ポイント上昇した。

 

 この点に関して報告は「中学生の増加はほとんどが2年生、3年生」とした上で「不安や無気力が前年度と同じく多い。友人関係や学業不振、家庭状況なども原因」と指摘した。

 これまでの取り組みでは、中学校に入学して不適応を起こす「中1ギャップ」を防ぐため小中連携を進め、年5回の不登校対策委員会を開いて対応に努めたほか、教育相談センターで臨床心理士が教員や保護者の相談にを受け、定期的に巡回するスクールソーシャルワーカーが具体的な助言を継続的に続けている、と説明した。担当課は「1年生の不登校の伸びは抑えられたが、2,3年生は残念ながらまだ多い」と述べた。

 東京都調査によると、不登校の小学校出現率は0.52%で、西東京市が0.04ポイント低かった。中学校は3.60%となり、西東京市が0.11ポイント高かった。都調査の学年別データでは、中1の出現率は2.92%、中2が3.83%、中3が4.03%となり、2-3年生が高い傾向だった。西東京市の報告に学年別の実数や出現率はなかった。

 

 委員から厳しい注文も

 教育委員からいじめが多い理由について質問があつた。担当課は「学校間でバラツキが出ている。生徒児童数の多い学校と少ない学校などによっても状況が異なる」などと説明した。

 不登校の要因に「不安や無気力」が挙がった点について、別の委員から「不登校になるのは子どもたちの家庭状況や学業問題があるにしても、学校が魅力的でないこともあるのではないか。無気力な子どもが増えるような将来では困る。(不登校)対策を次回まで具体的に示してほしい」との厳しい注文が出た。

 この「児童生徒の問題行動・不登校」調査は文部科学省が10月26日に全国集計の速報値を公表。東京都も同日、都内の小中高校などの調査結果を発表した。今回の報告はその西東京市版となる。全国版は9章構成全120ページ、東京都版は8章構成で見開き33ページ、実質66ページなのに対し、この日報告された西東京市版はわずか3ページの概略版。全国版や東京都版にある「出席停止」「自殺」などの章は見当たらなかった。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・平成28年度における児童・生徒の問題行動・不登校等の実態について(2017年10月26日)(東京都教育委員会
・平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)について(文部科学省

(Visited 174 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA