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「ひとハコ図書館」など多彩な仕掛け 東久留米市の図書館フェス2018

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 「図書館フェス2018」が5月19日、20日の両日、東久留米市立中央図書館で開催された。4回目の今年は「図書館を知る/本を楽しむ」がテーマ。館内をクイズ形式で巡る「ライブ!ラリー」、自分が館長になってすすめる本を展示する「ひとハコ図書館」、本の感想をはさみこむ「みんなの本棚」など図書館を楽しむ仕掛けがあちこちに。「図書館のドアをひらく~わたしの出会ったフィンランド」と題する講演もあり、多くの人で賑わった。

 

 「図書館フェス」は2015年から始まった。第1回から運営に関わり、今年3月まで図書館長で、現在も司書として働いている岡野知子さんは「図書館は読書の楽しみを提案していく役割を持っています。同時に利用するみなさんが必要とする図書館を実現することも大切。図書館は書物や情報が集積されている場所。たくさんのドアを開きたい。みなさんも新しいドアを開いてほしい。本を通じてドアを開け、知り合い、交流していくことで、まちもいいまちになる。その役割も果たしたい」と話す。

 

「懐かしい」。思わず手に取るTokyo Street Fashoin Library

 

 「ひとハコ図書館」は、自分がちいさな図書館の館長になったつもりで選んだ20冊前後の本をハコに詰める企画。「アフリカは旅をする図書館」「その本、とーちゃんも好きだったよ図書館」「まちづくりのエンジンに!図書館」「シャーロッキアン養成図書館」「水の中図書館」「共和国国立図書館」「自由学園卒業生+図書館」など、つけられたタイトルをみるだけでも楽しい23のハコが並んだ。東久留米市内だけでなく神奈川県川崎市や大阪府豊中市の図書館からの出展もある。 世田谷区や市外から来た参加者もいる。参加者や出展者がお互いに交流し、つながる楽しみも大きい。

「多摩デポ」図書館の館長でNPO法人共同保存図書館・多摩の堀 渡さんは、「年間8万種類の書籍が書店に並ぶ。10年後を考えると図書館の収容能力は限界。共同保存図書館を実現したい」とこれからに思いをはせる。

 

わたしも館長―東京図書館制覇の竹内庸子さん

中高生のひとハコ図書館

 

 「東京図書館制覇!」サイトを運営する竹内庸子さんは、23区の約250館を訪問した。今回は図書館発行の書籍や広報誌紙を紹介。子どもたちがみんなで絵を描いて作った「 おおきなかぶ」の絵本や、東京大空襲の体験を集め、地域の記憶を残す役割も果たす小冊子を作るなど12の取り組みに触れ、「図書館はその地域を反映する。地域が見えてくる」と言う。

 中学生や高校生の本好きも出展した。若者に人気の作家西尾(維新)物語や三国志のハコもある。ここでつながった中高生たちが秋には「10代による10代のための」『ぽけ☆ま』(ポケットマガジン)を創刊するなど取り組みが広がっている。

 参加者のおすすめ本を紹介しあう「ブックるぶっくル」は「数」がテーマ。それぞれが選んだ理由を語り合い、感想を言いあう。

 会場には、使われなくなった図書カード棚を利用した「みんなの本棚」コーナーもある。自分のすすめる書籍にその理由を記したしおりを挟みこむ。

 「黒魔女さんが通る」(石崎洋司作)には、「いろんな呪文(じゅもん)をいったり、ギュービット(インストラクター)が、おやじギャグをいうのがおすすめです」。「高校図書館デイズ」(成田康子作)は、「部活のやりすぎで自分の通っていた高校の図書室を知らないわたしには新鮮な話でした」。「ずっしり あんこ」には、「あんこについてのエッセイだけ集めたアンソロジーです。読むとおなかが空きます。うまい」とある。

 

「みんなの本棚」コーナー

 

 19日に行われた講演は、ムーミン谷一家が住むというフィンランドを大橋はるかさん(元飯能市立図書館副館長)と阿川聰子さん(元フィンランド大使館職員)が紹介。消費税は高いが社会保障が充実。大学まで無償で教育が受けられる、休みをとる義務も定められている。世界幸福度ランキングでも1位(2017年度)。直行便で9時間で行けるそうだ。講演の後は、フィンランドの楽器「トルスタイ」の演奏もあった。小さな琴のような5弦と11弦が奏でる「羽生の宿」などの音は会場に沁みた。

 

フィンランド大好きの講演会も盛況

 

 子ども向けの「ライブ!ラリー」は設問にしたがって館内をめぐる。書棚の間を「漫画はこっちだよ」と子どもに連れられて行くパパも。書名をパソコンで検索する5歳くらいの女の子もいた。
(川地素睿)(写真は筆者提供)

 

【関連リンク】
・図書館フェス(東久留米市立中央図書館

 

【筆者略歴】
 川地素睿(かわじ・もとえ)
 高知県出身。東久留米市在住20年。法律事務所、旅行業を経てNPO法人に参加する。もうすぐ地域に帰ってくる団塊世代。高齢者も含めた多世代が関わるまちづくりに関心がある。

 

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One thought on “「ひとハコ図書館」など多彩な仕掛け 東久留米市の図書館フェス2018

  1. 1

    「東京図書館制覇!」サイトの竹内庸子さんは、23区の約250館を訪問していますが、多摩のすべての図書館を回っていませんでした。お詫びして訂正します。確認が不十分でした。(編集部)

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