庁舎統合各案の整備コスト比較 庁舎統合特別委に提出

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2015年10月29日
保谷庁舎

取り壊しが取りざたされる保谷庁舎(西東京市中町)

 西東京市議会の庁舎統合方針特別委員会で10月26日、この間議論された庁舎統合案の整備コストを比較する試算資料が企画部から提出された。市が「方針(案)」として発表した「暫定対応方策」のほか、田無庁舎統合案、保谷庁舎統合案、新たな用地統合案に要する経費がそれぞれ算出されている。

 整備コスト比較表によると、暫定対応方策の後に新たな用地に新庁舎を建てる市の「方針(案)」が144億1000万円、田無庁舎統合案が167億9000万円、保谷庁舎統合案が173億1000万円、新たな用地統合案は161億円と試算。市が示している暫定対応方策に新たな用地統合案を加えた案が、表向きは最も安く見積もられている。

 しかし現在、新庁舎の建設用地は確保されていないため、用地取得費約30億円を加えると、暫定案は174億円1000万円、新たな用地統合案は191億円と膨らむ。この割高の試算額は、括弧書きで付け加えられている。

 二木孝之議員(民主改革フォーラム)は「いま用地がなければ、取得費を加えた額を素直に載せたらどうか。市有地が確保できる場合を括弧書きにするのが筋。このままでは市案が最も安いと誤解を与える」と指摘した。

 それだけではない。試算の検討期間は2082年度で区切っている。市案で2032年度までに建設される統合庁舎が50年後に耐用年数を迎えるとして試算している。
 ところが田無案と保谷案は2021年度に新庁舎の第1期棟、その後に2期棟が完成するため、2082年までには新庁舎の長寿命化改修工事が必要になり、比較表では田無庁舎は24億8000万円、保谷庁舎は38億9000万円などが加算されている。

 二木議員は「まるで手品を見せられているようだ。田無案、保谷案の新庁舎(1期棟など)が耐用年数を迎える2072年までの整備コストを比較したら、全く違った数字が出てくるはずだ」と述べた。

 比較表に載せた各案とも、中央図書館、田無公民館、市民会館を会館敷地に合築複合化することが前提とされている。森てるお議員(無所属)は「暫定案と言いながら、暫定期間が過ぎても、選択肢がない。市の中心部に新庁舎を建てる案を強制されている」と指摘し、田無統合案、保谷統合案の再検討を促した。

 これに対して企画部の南友和主幹は「各案のコスト比較がほしいとの要望を受けて試算した。市は3館合築複合化と暫定統合案を打ち出しているので、これを基に検討期間などを決めた。これらの前提条件を変えれば数字はまた変わる」と説明。「用地取得などを含め、西東京市の第3次総合計画の議論の中であらためて新庁舎のあり方が検討される」などと答えた。
(北嶋孝)

【関連リンク】
・庁舎統合各案の整備コスト比較表(PDF版)。赤線は指摘された箇所。

 

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