市民、文化団体と共に歩む こもれびホールの田中大介新館長に聞く
西東京市保谷こもれびホール(西東京市中町1丁目)の新館長に前副館長の田中大介さんが、この4月1日付けで就任した。どのようなホール作りを目指しているのか、お話を伺った。
同ホールの管理事務室の窓口カウンター近くに自席を置く田中さん。「施設利用者の方やお客さまの顔を見てどういう公演を行うのか、どんなチケットを購入されるのかなど、表情を見ながらコミュニケーションをとりたいな、と思ってこの席に移りました。市民のみなさんの声や情報を得る場にしていきたい」とやさしい笑顔を見せた。
同ホールは、座席662席のメーンホールと最大250席の小ホールなどを備えた市民の文化施設。2013年4月1日から2018年3月31日までの5年間、西東京市から指定を受けた、現㈱JTBコミュニケーションデザインを代表とする「JNS共同事業体」が指定管理者代表企業として、同ホールの管理運営をしている。
田中館長は、イベント関連の運営企画制作会社で長年培った経験を生かし、㈱JTBコミュニケーションデザインに入社。2013年保谷こもれびホールに配属された。1年目はホール窓口を担当し2年目から副館長を任された。今年3月31日をもって前館長の岸上優さんが退任し、4月1日から新たな館長に田中さんが就任した。
その後1か月「これまでは上に報告をする立場でしたが、館長として判断する立場に変わりました。即決しなければいけないケースも多く勉強すべきことが多いです。岸上さんが非常勤で事務室に来られるので、いろいろ学ばせていただいています」と話していた。
館長の役割について田中さんは、「『安全第一』『公平・平等』『法令順守(条例に則った運営)』という基本原則を守り、適正な公共施設の運営を進めること。ホールをどういうコンセプトで運営、マネジメントしていくか、市民の財産を預かっている、ということを念頭に可能なことは最大限に行い、あるものは有効活用していきたい」と語る。
同社のコンセプトは〝市民のホール利用促進″。同ホールの主な取り組みは、良質な主催事業を提供することや市民文化団体との共催事業を進めることなど。
今年度の主催事業では、西東京市と協議の上、オーケストラ、歌謡、お笑い、伝統芸能などさまざまなジャンルの厳選した出演者を招く。市民団体との共催事業では、市民文化団体の活動の場を提供したり、市民に文化鑑賞する機会を増やしたりしている。具体的には、市民文化団体として活発な事業を行い、市民から高い評価を受け、自ら運営する力も持つ団体を共催の条件に審査を行い、ホールの場所提供などしている。
その他、市内で活動するアーティストの発掘にも力をいれている。市民文化団体の情報や文化関係の受賞者などを日々調査しており、ホールロビーや併設するカフェラウンジ「はなみずき」でもコンサートの場を提供している。
田中さんは、「こうした事業を継続的に行い、工夫することで多くの市民の方々に、
こもれびホールをご利用いただきたい」と話していた。
同ホール3階にある、以前貸出していたAVルームやガラス張りのショーケースを、今後会議室や展示ルーム、展示スペースなどとして、市民に貸し出しできないか、早急に検討するという。
(柿本珠枝)
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・保谷こもれびホール
【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。