水銀混入調査対策委員会が初会合 柳泉園組合の高濃度水銀検出で

投稿者: カテゴリー: 環境・災害 オン 2016年5月13日

 西東京市、東久留米市、清瀬市の3市廃棄物を共同処理する施設「柳泉園組合」で高濃度の水銀が排ガスから検出されたことを受けて、外部の専門家らを交えた「水銀混入調査対策委員会」(宮川正孝委員長)が5月11日、東久留米市下里4丁目の同組合管理棟で開かれた。組合側から水銀検出と焼却炉の停止、対応策など一連の経緯が説明され、来年3月までに5回前後の会合で報告書をまとめるスケジュールが示された。次回は7月の予定(日時は未定)。

 組合事務局の説明によると、昨年9月1日午前8時40分頃から稼働中の1号炉で水銀が検出され、同8時46分に0.05mg/㎥N(注)を記録。東京二十三区清掃一部事務組合が決めた自己規制値0.05mg/㎥ N を超えた。午前9時の1時間平均の水銀濃度が0.14mg/㎥Nと高い数値だったため、午後3時に焼却炉の停止を決定。同4時から1号炉の停止作業を開始、翌2日午前10時に停止した。
 (注)㎥N (ノルマル立法メートル)とは、0℃、1 気圧の標準状態における気体の体積を表す。N (Normal)は、標準状態を表す記号。

 その後、西東京市など3市や事業系の廃棄物収集業者に対し、水銀含有廃棄物の分別徹底を要請した。搬入車両の内容物検査も2回、計6台で実施。周辺自治会での説明などを経て、11月19日に1号炉を再稼働した。

 

煙突

ごみ処理施設(柳泉園クリーンポート)3炉共通の煙突

 

 今後の対応について、同組合技術課の佐藤元昭課長は「ごみ焼却炉の水銀排出基準は現在、法律によって定められていないが、東京二十三区一部事務組合のケースを参考に、水銀の自己規制値を0.05mg/㎥Nと定め、2時間連続して規制値を超えたら焼却炉を停止する」と説明した。

 委員からは「搬入車両の総数、検査した職員数は?」「事業系、医療系の搬入車両の台数を聞きたい」「当日の水銀値を時間の推移と共にグラフ化してほしい」などの質問や要望が相次ぎ、次回に資料を提出することになった。

 事務局の説明によると、焼却された水銀は170g程度と推定。水銀を使用する市販の血圧計は1台約47.6グラム含有しているので、換算すると3~4台分に相当するという。
 昨年6月にも排ガスから水銀0.04mg/㎥Nを検出したが、規制値の定めがなく公表などの対応はしなかった、という。

 柳泉園組合は西東京市など3市の廃棄物を共同処理する一部事務組合。2014年度のごみ搬入量は約7万2,665トン。内訳は西東京市が約3万4,547トン(48%)、東久留米市約2万4,110トン(33%)、清瀬市約1万4,007トン(19%)。そのうち可燃ごみは1日の処理能力105トンの3炉(計315トン)で焼却している。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・柳泉園クリーンポート1号炉の停止について(柳泉園組合
・柳泉園組合水銀混入調査対策委員会について(柳泉園組合
・平成26年度ごみ搬入量(ごみ処理施設状況 3市からの搬入量)(柳泉園組合
・水銀混入調査対策委員会委員(名簿

 

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