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地域で支える「オレンジカフェ保谷駅前」 公民館が認知症の人や家族の居場所へ

By in 交流・共生, シニアライフ on 2016年6月13日
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 増え続ける認知症の人とその家族を、地域で支える新しい試みが西東京市でも始まる。国の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)にも取り入れられた地域の居場所づくりだ。高齢の患者らを診てきた地元の医師とともに、地域包括支援センター、社会福祉協議会、市の高齢者支援課、公民館のスタッフ、さらにボランティアらが支援の輪をつくる。名前は「オレンジカフェ保谷駅前」。公民館を会場に毎月1回開催する。第1回は6月16日(木)午後2時から始まる。

 ことの始まりは、地元のみわ内科クリニックの医師三輪隆子さんの「思い」だった。西武池袋線保谷駅北口で開業して約10年。物忘れ外来で診た人にデイサービスを勧めても動かない。社会参加が少なくなれば、症状は悪い方へ傾きがち。家族が注意すると、怒り出したりする。そんなケースをみて、「本人も家族も気軽に集まれる場が必要だと思っていました。見当たらないので、自分で作ろうかと思って相談したんです」。

 相談相手は、栄町地域包括支援センターの保健師・看護師の北波恵子さんだった。ケアマネジャー研修会の講師をお願いしようと昨年末三輪さんを訪ねたら、居場所づくりに協力してほしいと頼まれた。「必要は分かっていたので、期限を切って進めましょうと言いました」。やるなら退路を断つつもりで。潔い即決だった。

 同じ市北東部圏域にある富士町地域包括支援センターのセンター長、前山倫さんに声をかけた。前山さんは、物忘れが不安な高齢者や家族が集まる「おひさまカフェ」を身近でみてきた。「施設利用者だけでなく、家族や地域の方も集まりますよ」。得がたい経験者だった。

 会場は「前から目を付けていたところがありました」(笑)と北波さん。駅に隣接。だれでも知っている公共施設。しかも、培ってきた地域ネットワークがある。「高齢者施設でやってもいいけれど、保谷駅前公民館がピッタリ」。当面の試みに、心強い拠点だった。

写真は、左から三輪隆子さん、前山倫さん、北波恵子さん、新堀彰子さん(みわ内科クリニック)

写真は、左から三輪隆子さん、前山倫さん、北波恵子さん、新堀彰子さん(みわ内科クリニック)

 

 連絡を受けた保谷駅前公民館専門員の新堀彰子さんは「公民館だけでなく、地域のいろんな方と一緒にやりましょう」。同公民館は健康講座「目指せ!マイナス10歳の私」を開き、音楽療法で高齢の認知症患者が変わる様子をとらえた米国のドキュメンタリー映画「パーソナルソング」を上映したこともある。市の認知症サポーター養成講座も実施していた。

 間もなく社会福祉協議会、高齢者支援課、養成講座を受講したボランティアの人たちも参加。カフェの中身や運営方法の打ち合わせでは活発な意見が出た。

 当初は認知症を理解してもらうミニ講座や歌、手作り講座などのプログラムを考えていたが、ボランティアの人たちの意見を聞いて方針転換した。「最初からプログラムにこだわるより、初めはほっとできる時間、笑顔があふれる場所にしたいという意見が多かった」と北波さん。三輪さんは「まずは疑問や不安を話し合って、それから何ができるか考えようということになりました」と言う。

 「認知症の理解を」「ご近所の理解があると安心」「声掛けがあれば事故も防げる」「閉じこもりを防ぐ場に」-。そんな思いを受けて、オレンジカフェ保谷駅前は毎月第3木曜日に開催される。会場は保谷駅前公民館。第1回は16日午後2時から4時まで。お茶代100円。「お茶を飲みながらほっとできるひとときを過ごせます」と呼び掛けている。
(北嶋孝)

 

 問い合わせ:
・栄町地域包括支援センター(042-438-7090)
・富士町地域包括支援センター(042-451-1203)

 

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