統合庁舎は保谷庁舎跡の「シビックゾーン」に、田無庁舎エリアを「教育・文化・芸術ゾーン」へ まちづくりフォーラムが「提言案」

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙暮らし オン 2016年6月30日
まちづくりフォーラム提言案

まちづくりフォーラム提言案(記事末尾に概要版)

 西東京市が誕生してから15年。保谷庁舎と田無庁舎の二庁舎体制を解消し、新しい地域統合プランを求める市民団体の提言案が明らかになった。タイトルは「『住み続けたい!』と思うまち 西東京に」。その基本コンセプトは3つ。まず老朽化が指摘される保谷庁舎の解体後に統合庁舎を建設し、一帯を公共施設が集積する「シビックゾーン」として整備する。次に、合築複合化の対象となっている中央図書館、田無公民館、市民会館は、田無庁舎と隣接の自転車駐車場やイングビルのエリアに建設し、あらたに「教育・文化・芸術ゾーン」の創出を図る。最後に、単なる庁舎建て替え案ではなく、市民参加に基づく総合的な「まちづくり」を目指す。7月31日(日)の第5回まちづくりフォーラムで、さまざまな意見を出し合い、話し合う予定だ。

 提言案をまとめたのは、中央図書館など3館合築複合化の再考を求める活動から生まれた市民や団体の集まり「まちづくりフォーラム」。昨年3月に市が発表した庁舎統合方針(案)は(1)保谷庁舎を解体し、田無庁舎に市民サービス機能を集約する「暫定的な対応方策」を当面の方策とする(2)2033年(平成45年)度を目途に真の庁舎統合を目指す(3)「新たな用地(市中心エリア)での統合を視野に検討する-の3点を基本方針にしていた。これに対して提言案は「時間も労力もムダ」と退けている。

保谷庁舎

提言案で統合庁舎建設が想定される保谷庁舎エリアの「シビックゾーン」

 

 その理由として(1)保谷庁舎解体後に、田無庁舎付近に鉄筋コンクリート5階建ての仮設庁舎を予定する市の計画は、余計な整備コストが15億円から19億円かかる(2)市中心エリアに庁舎建設の候補地はないので非現実的(3)保谷庁舎は敷地が広く、調布保谷線ができて道路条件がよい。防災センターもあり広域避難所に指定されている文理台公園も近いなど、大規模地震対策に効果的-などを挙げている。しかもエコプラザやスポーツセンターなどもあり、公共施設を集約する「シビックゾーン」に効果的な場所、としている。

 合築複合化が検討されている中央図書館、田無公民館、市民会館は、庁舎統合後に田無庁舎、イングビル、自転車駐車場のエリアに想定。田無駅南口につながる都市計画道路と南口駅前整備計画が進行中であり、西東京市文化芸術振興会(会長・海老澤敏元国立音楽大学学長)が田無駅南口エリアに約1300人規模の市民文化ホール構想を打ち出したことも織り込んで「教育・文化・芸術ゾーン」づくりを目指す。

「教育・文化・芸術ゾーン」とされる田無庁舎エリア

「教育・文化・芸術ゾーン」とされる田無庁舎エリア

 

 整備スケジュールでは、2018年ごろまでに基本構想を定めて保谷庁舎を解体し、2028年から30年ごろまでに庁舎統合を終えるとしている。3館は当面耐震補強工事にかかる。新ホールや中央図書館などは2021年ごろまでに基本構想を練り、31年から33年ごろの完成を目指す。事業費は約139億6000万円から141億7000万円などと試算している。

 まちづくりフォーラムは昨年3月、中央図書館など3館を合築複合化して、市民会館の敷地に建設する計画の再考を求めて生まれた。これまでまちづくりをテーマにした4回の会合を開き、3館合築や庁舎統合案を話し合ったり市の企画政策課職員から庁舎統合案などの説明を受けたりしてきた。

 第5回まちづくりフォーラムは7月31日午後1時30分からコール田無で開かれる。今回の提言案をたたき台として、多くの市民と話し合う予定。

 同フォーラムのまとめ役として活動してきた鈴木治夫さんは「大勢の人たちに集まってもらって、意見を出してもらいたい。市が計画を決めて、あとは説明するだけでは不十分。子どもや孫の世代にまで影響する事柄なので、市民が参加して計画を練るプロセスが大事だと考えている。いろんな考え方の人たちの声を聞きたい」と話している。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・まちづくりフォーラム提言案「『住み続けたい!』と思うまち 西東京に」(PDF 567KB

 

 

(Visited 5,656 times, 1 visits today)

統合庁舎は保谷庁舎跡の「シビックゾーン」に、田無庁舎エリアを「教育・文化・芸術ゾーン」へ まちづくりフォーラムが「提言案」」への1件のフィードバック

  1. 保谷なおみ
    1

    結局、出発点だった市民会館の耐震補修工事は無駄という論点が、いつの間にか、欠落しました。暫定庁舎の15億円は無駄というが、三館の耐震補修にいくらかかるか、明示されていません。15億円、もしくはそれ以上かかる可能性があります。それから、公民館図書館建て替え中の2年間、仮設施設は必要ないのでしょうか?図書館の蔵書はどこにおくのでしょうか。
    結論ありきの議論にありがちの雑さが目に付きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA