庁舎検討委調査報告書「意見集約に至らず」 仮設庁舎建設反対の陳情2件不採択

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2016年12月15日

5階建ての仮庁舎建設が想定されている田無庁舎の市民広場

 西東京市議会の庁舎統合方針検討特別委員会(遠藤源太郎委員長)が12月15日開かれ、「委員会としての意見は集約に至らなかった」などの報告書案を了承した。その後、9月議会から継続審議となっていた、仮設庁舎を田無庁舎市民広場(中庭)に建設しないよう求める陳情2件を不採択として、10分足らずで閉会した。

 庁舎統合方針検討特別委は昨年3月30日に発足。愛知県高浜市、新城市の行政視察などを含め1年9ヵ月かけて計18回の会合を重ねたが、各会派の意見は賛否が分かれたまま一致点を見いだせなかった。12月21日の本会議で報告する。

 市が11月になってまとめた「庁舎統合方針案(改定版)」は、(1)2020年度までに保谷庁舎を取り壊し、田無庁舎の市民広場(中庭)に仮庁舎を整備して保谷庁舎の機能を田無庁舎と一部保谷庁舎に再配置する(暫定的な対応方策)(2)2033年度までに庁舎統合を実現する(3)庁舎の位置は「市中心エリア」での統合を視野に検討する、などとなっている。市はパブリックコメントなど市民意見の集約を待って年内の「方針決定」を明らかにしている。

 参考資料として添付された各会派、議員の意見は多岐にわたる。
 自民党は2庁舎体制の解消と保谷庁舎の老朽化を解決するために「(暫定的な対応方策は)最も実現性が高い」と評価。リース方式の仮庁舎整備もコスト抑制が図れるため「最良の方策」としている。その上で、保谷庁舎敷地の窓口サービスを確保し、田無庁舎敷地での防災・災害対策機能を検討すべき」とした。

 公明党は8ページにわたって方針案の課題と改善点を整理。田無庁舎を活用して庁舎統合に向けて取り組む方針には「妥当性がある」とした上で、「統合庁舎の位置や規模、行政サービスのあり方について合意形成を図るべきだ」としている。さらに(取り壊す)保谷庁舎を利用している市民にきめ細かな対応」を求め、仮庁舎建設に伴う(田無庁舎の)市民広場消失に伴う代替案を検討する」よう求めている。

 共産党は方針案に「反対」を打ち出し、保谷庁舎を取り壊すなど拙速に統合を進めるべきではないとしている。必要なのはまず「保谷庁舎の耐震診断と評定の実施だ」と述べ、市民意見を踏まえるなら「2庁舎体制の継続も選択肢の一つ」「まだ市民合意は形成されていない」と述べている。

 統一会派みらいは「方針案はいったん白紙に戻し、市民参加によりゼロベースで検討し直すべき」としている。その理由として「最重要なのは市役所の場所を決めること」なので、(暫定方策で)庁舎建設を10年先延ばしにするのは「不要な予算の支出」と述べ、保谷庁舎の耐震診断を早急に実施するよう求めている。

 民主改革フォーラムはまず、「(統合方針案に)一定の理解をする」と前提した上で、(仮設庁舎は)「保谷庁舎敷地に整備することも再検討すべき」であり、保谷庁舎の耐震診断も求めている。

 生活者ネットワークは(統合方針案を)「年内にまとめるのは拙速であり、承服しかねる」と述べた上で、「方針決定のわずか1ヵ月前」の方針案(改定版)提示では「市民合意を無視していると判断せざるを得ない」とする。行政サービスを地域単位で供給できる体制を作り、庁舎規模はコンパクトに、庁舎の位置は保谷庁舎の跡地活用も視野に入れるよう求めている。

 同委員会は各会派の9議員で構成された。委員外議員として無所属の2人が討論に参加した。森輝雄氏は「(暫定方策を含め)再検討するよう求める」とし、納田さおり氏は「無所属委員も正式委員とする構成」を求めた。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・庁舎統合方針案(改訂版)(西東京市Web)(PDF, 2248KB

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