横断歩道で車は止まらない! 後部座席のシートベルト着用は約3分の1

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2017年1月5日

車は止まらない!(JAF提供)

 信号機のない横断歩道を渡ろうとする歩行者がいても9割以上の自動車は止まらない。一般道路でのシートベルト着用率は後席で36.0%と低く、チャイルドシートの正しい取付け率は39.3%-。ロードサービスなどで知られる一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が昨年末までに公表した自動車運転調査などから、危うい交通状況が明らかになった。

 信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていたら、自動車は止まらなければならない(道路交通法第38条)。ところが、信号機のない全国の横断歩道94箇所をJAFが調査したところ、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は1万26台のうちわずか757台(7.6%)。半数を超える48箇所の停止率は5%未満だった。昨年9月にJAFが公表した。もちろん罰則は軽くない。「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」(同法第119条)だ。

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 シートベルトの着用実態も芳しくない。
 JAFが警察庁と合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査2016」によると、 一般道路でのシートベルト着用率は運転席が98.4%だったのに 後席は36.0%止まり。3分の1弱が非着用だった。高速道路では運転席99.5%、助手席98.4%とほぼ着用状態なのに、後席の着用率は71.8%。約3分の1がシートベルトを着けていなかった。

 乗車中の6歳未満の子どもを対象に「チャイルドシートの使用状況」と「チャイルドシートの取付け状況、 着座状況」調査が昨年11月にJAFと警察庁合同で実施された。調査結果によると、6歳未満の子どもの使用率は64.2%で過去最高となったが、 乳児用・幼児用のチャイルドシートが取扱説明書通りに取付けられていたのは39.3%だった。シートベルト調査はともに昨年12月20日に発表された。

 

いずれの図もJAF提供(クリックで拡大)

 警察庁は1月4日、2016年の全国の交通事故死者が前年比213人減の3904人となり、1949年以来67年ぶりに4000人を下回ったと発表した。1万6000人を超えていた70年代の最悪期と比べると4分の1ほどに減った。

 警察庁はホームページで、「(シートベルトの)非着用死者の車外放出の割合は着用者の約21倍!」と注意を呼び掛けている。高齢者、自転車事故対策だけでなく、まだまだ事故や死者を減らす余地があるのかもしれない。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・9割以上のクルマが止まらない! 歩行者が渡ろうとしている「信号機のない横断歩道」(JAF
・後席シートベルト、“3人に1人”の低い着用率(JAF
・平成28年中の交通事故死者数について(警察庁)(e-Stat 政府統計の総合窓口
・全ての座席でシートベルトを着用しましょう(警察庁

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