一般会計予算案など成立 「遅延と混乱」の西東京市議会 市長ら減給20%、3ヵ月

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2017年3月30日

 

会期最終日の本会議(西東京市議会)

 西東京市議会(小幡勝己議長)の第1回定例会最終日の3月30日、総額702億2900万円に上る2017年度一般会計予算案が本会議で賛成多数で可決、成立した。予算成立を受けて、田無庁舎中庭の仮庁舎整備事業が基本設計に入るなど、庁舎統合方針が一歩具体化。旧泉小学校の校舎解体工事も作業に入るなど跡地活用計画も動き出すことになった。しかし市側の議会答弁で不一致や訂正が相次ぎ、審議は度々中断した。これらの責任を取って、丸山浩一市長と池澤隆史副市長の2人が4月から6月までの3ヵ月間、減給20%とする条例改正案を提出、可決された。

 問題になったのは、補正予算案の中学校特別教室の空調設備整備事業。契約変更手続きの不備が明らかになって審議が滞り、謝罪に追い込まれた。一般会計予算案審議でも、災害対策関連で防災計画やマニュアル作成をめぐって「答弁不一致」と追及された。

 これらの事態を受け、市長と副市長は「不適切な事務執行と予算特別委員会審議の遅延、混乱を招いた」責任を取って減給とした。丸山市長は「担当管理職の処分についても適正な対応を図る」と厳しい姿勢を明らかにした。

 

仮庁舎建設が予定されている田無庁舎市民広場(中庭)

 

 一般会計予算案採決の後、国民健康保険など5特別会計予算案も可決。丸山市長らの減給提案を挟んで、「無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境の整備を求める意見書」なども可決された。

 閉会直前に、昨年末に辞任した前田哲前教育長の「パワハラ疑惑」を明らかにする百条委員会設置の動議が、山崎英昭氏(みらい)から提出された。

 反対討論で佐藤公男氏(公明)は「市の調査報告書は残念ながら納得できるものではなかった。本来なら百条委員会を立ち上げ、原因を明らかにすべきだが、もう一度だけ市長以下執行部の自浄作用に期待する」などと述べて動議反対に回った。

 動議賛成の立場から加藤涼子氏(生活者ネット)は「市の調査報告書に『再発防止』という言葉は一度も出てこない。パワハラがあったとは認識していないからだ。疑惑が真実かどうかを明らかにする必要がある」などと述べた。

 採決の結果、可否同数(12対12)となり、議長裁決で動議は否決された。
 動議に賛成したのは、みらい(4人)、共産(3人)、生活者ネット(2人)、無所属2人(納田さおり氏、森輝雄氏)のほか、稲垣裕二氏(自民)も賛成に回った。反対は自民(6人)、公明(4人)、民進(2人)。坂井かずひこ氏(民進)と森住孝明氏(共産)は欠席。浅野高司氏(自民)は休憩中に退席したまま戻らなかった。
(北嶋孝)

 

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