100winds_banner01 第30回

師岡武男(評論家)

 

基本的な仕組み

1:経済とはモノ(財・サービスの実物)を生産して利用する活動であり、人類発生以来の営みである。 2:モノの生産にも利用にもカネ(貨幣)が必要であり、金融経済の制度の役割は大きい。 3:カネは国(政府、日銀)が発行して供給(貸付と給付)する法定貨幣が基本となる。 4:カネは必要なだけ供給できるが、モノには供給力の限度がある。 5:豊かで安心・安全な福祉経済実現のために、これらの基本的仕組みを有効に活用して供給・需要の量的・質的な向上(成長)を図ることが必要。当然ながら完全雇用。

100winds_banner01 第18回

師岡武男(評論家)
 
 

  今度の総選挙は、入り口の段階で、「政権選択」を目指す野党再編成のドラマが大騒ぎになったが、それが一段落すれば、政策公約の争点に有権者の関心が高まっていくだろう。その一つが消費税増税問題だ。このコラムは、何回か消費税問題を取り上げてきたので、続編として書いておきたい。

100winds_banner01第9回

師岡武男 (評論家)
 
 

  政府の政策や政党の公約に対してよく使われる「選挙対策」という評言は、たいてい褒め言葉ではなく、貶し言葉として使われる。「人気取り政策」となると、もうはっきりした悪評だ。来年の参院選挙が近づいて来たので、最近またマスコミと政冶家がよく使う。悪評の趣旨は、票を金で買うような不当な利益供与だとか、口先だけで空約束の嘘の善政だ、などである。要するに、動機不純な善政、悪政、あるいは嘘つきなどという「泥」のついた「レッテル」にされてしまったのである。

100winds_banner01 第5回

師岡武男 (評論家)
 
 

 [2015年]5月の消費関連経済指標(速報値)を、前年同期と比べて点検してみよう。名目賃金は0.6%増加、消費者物価は0.5%上昇、実質賃金は0.1%減少、実質家計消費支出は4.8%増加となった。この読み方はちょっとややこしい。実質賃金がマイナスになるのは、厚生労働省が物価で割り引く際の物価指数が「総合指数」よりも高い0.7%上昇だからだ。この状況はほぼ4月並みだが、消費は4月よりも大幅に増えた。これは、昨年5月が8%の激減だったためで、消費水準自体は低いままだ。