何を食べ、どう生きるか by 道下舞子

 

 フランスで聖書以来のベストセラーと言われる本書。著者は1960年代にパリで歌手として成功した女性だ。自動車事故で瀕死の重傷を負うが、自然療法で回復に至る。壮絶なストーリーと自然食を実践する上での具体的な方法や効能が書かれている。1980年代発行の書物にも関わらず、古びない内容となっている。知人からの勧めで読んだ本書。何を食べ、どう生きるかをあらためて考えるきっかけとなった。

半夏生

「あれッ、あの紙吹雪は何だろう」。10m先に突然現れたこの群落。その白い正体はまるで魔術師だ。

 

 ~6・7月、新川暗渠緑道に梅雨到来の第2メッセンジャー~

 四方を海に囲まれた温暖湿潤の日本列島。毎年、梅雨の訪れを告げるお馴染みの「草」がある。でも紫陽花を思い浮かべる人が多いだろう。だがアジサイは落葉低木であって草ではない。冒頭の写真はハンゲショウである。漢字で「半夏生」、またの名を「半化粧」と書く。そのほか「片白草」(カタシログサ)とも書く。この名称がこの植物の特徴と不思議さを一番よく示している。

「計画」を成功させる仕掛け by 菊池ゆかり

 

 主人公、マコトこと真島誠は池袋で起こるもめごとを解決するトラブルシューター。『I. 池袋ウエストゲートパーク(W.G.P)』シリーズは外伝を含む既刊18巻。マコトが仲間たちと痛快に悪いやつらをとっちめたり、ママと子どもを救ったりする話が収められている。数ある「事件」のうち、私は『灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークⅥ』の中の「池袋フェニックス計画」という章が大好きだ。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、以前から厳しい生活をしていた人々に加え、新たに生活困窮に陥った人たちが崖っぷちにまで追い込まれ、西東京市田無庁舎1階の「西東京市生活サポート相談窓口」に駆け込んでいます。今回はその状況をつぶさに報告します。 >>続きを読む

 

 前回の記事に詳しいコメントをいただき(有難いことです)、渡来系のひとびとが武蔵国にやってくるルートについて、筆者が記述した太平洋ルートだけでなく、日本海側からの経路も考えられるのではないかというご指摘があった。その根拠として東久留米には4社ある氷川神社の存在を挙げられ、この神社はそもそも出雲の国に由来し、その伝達の経路は日本海経由であるとされている。筆者は素人ゆえ、その当否を判断できるわけではないが、一古代史好きからすると、おっしゃる通りだろうと思った。このことについて、もう少し考えてみたい。(写真は、南沢の氷川神社)

エコキヤンプ全景

2年目を迎えた紫草エコキヤンプ全景/ミニハウス1号棟(右)と2号棟(左)(2021年5月29日現在)

 ~「2核2モール方式」、エコキヤンプの旅立ち~

 西東京紫草友の会は、2021(令和3)年4月にエコプラザ西東京の一郭に活動拠点を移した。この拠点は西東京市と5年契約を交わし、名称を「エコプラザ西東京むらさき協働キヤンプ」(略称:エコキヤンプ)と呼んでいる。実際には前年の2020年2月に紫草の種播きをしたので、今季2年目を迎えた。

完璧なプラトニック・ラブストーリー by 墨威宏

 恋愛小説限定で読書会を開いているという友人から「お勧めの恋愛小説、ないですか」と聞かれたことがある。私は浅田次郎の『ラブ・レター』と即答した。浅田次郎がいけなかったのか、「どんな話?」とも「面白いの?」とも聞かれず、「へえ」とだけ。本当は聞いてほしかったのだけれど。今でも恋愛小説の「推し」は『ラブ・レター』だと思っている。この文章を書くために再読したら、また涙腺が緩んでしまった。(写真は、『ラブ・レター』収録の『鉄道員』。右はCDブック)

 前回、「地形」が一種のブームになっていることを書いた。その盛り上がりは2013年あたりから確かなものになったと考えられる。というのもこの年、『日本史の謎は「地形」で解ける』(竹村公太郎、PHP文庫)というそのものずばりの書名をもつ本がベストセラーになっているからだ。この文庫は同著者が書いた『土地の文明』(2005年)と『幸運な文明』(2007年、両書ともPHP研究所刊)という本を再編集してなった、と記されている。つまり、「地形ブーム」という時流を読んだ著者もしくは編集者(たぶん後者)が、編集技術で見事にベストセラーをつくりあげた、ということになる。(写真は、新座市を流れる黒目川。古代の渡来人はこういう水路をさかのぼって来た?)

紫草

谷戸公民館前で陽射を浴びるムラサキ

 ~さらば谷戸育成場、されど紫草は死なず~

 2017年2月、わたしたちは西東京紫草友の会を発足させ、谷戸公民館の前庭裏手に育成場を設け、絶滅危惧種・紫草栽培をスタートした。栽培を始めてから生育環境があまり恵まれていないことに気づいた。隣接する高層の都営住宅が朝日を遮った。好天の時は頭上から日が射したけれど、午後には西日があたる立地だった。高層ビルと生垣に囲われた谷底のような育成場で4年間、「間借り」なりにも仲間とがんばった。気候不順も影響し、紫草栽培の目標である紫根は太く育たず、背丈も伸びず、ひょろひょろの痩せた姿だった。それでも毎年、愛くるしい発芽を迎えると一同よろこびの声を上げ、数か月後、純白の花が咲くと心が和んだ。

『1973年のピンボール

『1973年のピンボール』単行本(1980年刊行)帯付きの表紙

80年代、クールな衝撃 by 杉山尚次

 『1973年のピンボール』(以下『ピンボール』)は、『風の歌を聴け』(以下『風の歌』)に続く村上春樹の2作目の作品、1980年に刊行されている。前年の『風の歌』はデビュー作でもあり、間違いなく村上春樹の代表作として言及されることが多いが、『ピンボール』はそれに比べると少しばかり影が薄い。村上と同じころデビューしたサザンオールスターズ(78年デビュー)でいうと、「いとしのエリー」(79年)に対する「思い過ごしも恋のうち」(79年)みたいな位置づけといったらいいだろうか。どちらも衝撃作のあとの次作で、佳作なのに代表作にはなれない。どういうわけか私は、そういう作品をひいきにしてしまう性癖がある。

ブラタモリ的坂道

(写真は、「ブラタモリ」的?湾曲した急な坂道。東久留米団地へ至る。撮影筆者)

 もしも「ブラタモリ」がひばりが丘に来たら、という設定でこの回をスタートしようと思ったら、すでに同じ狙いの企画が「ひばりタイムス」に掲載されていた。それも3回。キーワードは「スリバチ(地形)」、つまり窪地。ひばりヶ丘駅周辺から東久留米を流れる黒目川、その支流の落合川、立野川などを経巡り、高低差のある地形とか暗渠といった特徴的なポイントを探る、研究者の解説付きの散歩イベント。タイトルは以下のとおり。どの回もきれいな写真が多数掲載されているので、ぜひ参照を。

『はじまりは愛着から』

佐々木正美著『はじまりは愛着から』

子どもに関わるときに誰でもやさしい大人になれる by 石田裕子

 何年か前に、生協の申し込みリストで見つけた児童精神科医、佐々木正美先生の本。 子育て真っただ中の時に、『子どもへのまなざし』という本を読んでいたことを思い出した。自分の子どもたちは、もうすっかり大人になってしまったけれど、「人を信じ、自分を信じる子どもに」という副題に、目が離せなくなり、思わず申し込みをした。

 前回、この武蔵野地域(主に東久留米)に、外国の無線をこっそり傍受する旧日本陸海軍の2つの施設があったことにふれた。そして、海軍の「大和田通信隊」に注目し、関連する阿川弘之の戦記小説を取り上げた。今回は、陸軍の「北多摩通信所」が登場する吉村昭の戦記小説『大本営が震えた日』(新潮文庫)を読んでみたい。

霧三姿

【撮影データ】Nikon D4 85ミリ ISO 800 絞り4 シャッタースピード 1/60

その1 中町

 春になると寒暖の差が激しく、霧が出やすくなる。  夜霧は見慣れた田舎町も、劇的な空間に変えてくれる。  中町の赤提灯も、どこか見知らぬ街のようだ。  車のライトに浮かび上がった人影は幻か?

悪童日記

写真は、アゴタ・クリストフ著『悪童日記』。手前が現在入手出来る文庫版

事実を書きとめる乾いた書法 by 北嶋 孝

「一冊」シリーズの企画が提案されたとき、取り上げる候補作はすぐに何冊か思い浮かんだ。絶版になって忘れ去られる書物が多い中で、『悪童日記』の文庫版はいまも書店で見かける。現役の本なので取り上げるのに躊躇はなかった。