現代アートの天井画を特別一般公開 東久留米市の南沢氷川神社
古くから湧水の守護神として鎮座する南沢氷川神社(東久留米市南沢3丁目)の拝殿に同市出身の現代アート作家大小島(おおこじま)真木さんが天井画を奉納し、7月16日、17日の2日間特別に一般公開された。厳しい暑さの中、合わせて555人の市民などが訪れ作品に見入った。
天井画のテーマは「生きとし生けるものたちの饗宴」。鳥や獣、昆虫などの生き物が木々と絡み合い、作品の中心にある源泉に向かって舞う絵柄。東久留米の湧き水を飲んで育った大小島さんは、「ここの水は私の身体を作っています。生き物は水、土、太陽によって生かされています。互いに共存することで生命をつなぐ自然の循環を表現しました」と話す。作品はアクリル絵の具を使用。20枚のパネルが天井にはめ込まれ、全体で316㎝×490cmの大きさになる。
17日、公開開始10時から来場者が集まった。手水舎で身を清め、お祓いを受けたグループから拝殿の内に入った。天井を見上げた人からは「素晴らしい作品だ。引き込まれるようだ」との声が漏れた。
天井画は2015年冬に完成し、約10日間同じ神社の天井に飾られていた。今回の特別公開を主催したのは市民らによる、南沢氷川神社天井画実行委員会。正式な奉納を機に地域の財産である湧き水で営まれた命の繋がりを体感する場を作りたい、と神社へ申し出て協力を経た。同会は今後定期的な開催も考えている。
同神社は、環境省選定の「平成の名水百選」落合川と南沢湧水地に囲まれた緑豊かな地域にある。栗原健人宮司は「水は全ての源です。大小島さんの思いが込められた天井画が、この地域のシンボルになり、多くの方に南沢緑地をみなさんのものとして関心を向けていただきたい」と話していた。
(柿本珠枝)
【関連リンク】
・南沢氷川神社(HP)
・大小島真木サイト(HP)
【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。