「みんなのひばり祭」は地域とともに 中原小おやじの会10周年企画
西東京市立中原小学校の「おやじの会」が今年10周年を迎え、地域の人たちや近隣団体と一緒に10月1日、「みんなのひばり祭」を開いた。会場はひばりが丘団地内のコミュニティーハウス、ひばりテラス118と、隣接の公園。父親の職業を知ってもらう体験イベントが開かれ、手づくりの出店が並ぶ。好天に恵まれたお祭は、近所の人たちで賑わった。
列が出来たのは、採れたて野菜のファームカー販売だった。地元産のカブ、キャベツ、大根などが並ぶ。近くのマンション街からやって来た渡部悠さん(29)は子どもと一緒。大根のほか、サツマイモやピーマンなどを袋いっぱい手に入れた。「ちらしが入っていたのでこの催しを知りました。お祭は楽しいですね」。
お好み焼きもあれば、焼きそばも。ポップコーンや駄菓子、綿あめなどに大人も子ども手を伸ばした。児童センターや学童クラブを運営しているNPO子どもアミーゴ西東京や中原小学校運営協議会の人たちも協力した。
おやじの会は2007年に設立し、メンバーは現在60人ほど。がっちり組織されたPTAと違って、出入り自由な集まりだった。運動会の準備や後片付け、通学路のごみ拾い、児童センターの流しソーメンや餅つきなどのイベントに協力してきた。「これまではお手伝い、応援役が主でした。10周年を機に、地域の人たちと一緒にイベントをしようと話し合いました」。前会長の小林大介さん(49)さんはこう話す。
中原小から道路をまたぐとひばりが丘団地。ここに住む在校生、保護者も多い。小林さんは「学校を会場にすることも考えられますが、学校は地域の人たちにも支えられています。話し合ってテラス118のみなさんの協力も得ました。地元とのコミュニケーションを大事にしたいと思います」という。
池上良彦さんは自動車部品製造会社の社長さん。ハウス内の体験会で、何個もつながっている部品を一個一個剥がしていく仕上げ作業「バリ取り」を教えた。仕上げた部品が自動車に使われることを知ってほしいですね」。車メーカーに勤めているメンバーはタイヤ交換、鍼灸師の父親は身体のツボ探しコーナーを担当した。学校給食の調理師さんは子どもたちと一緒にスープを作った。ポスターづくりはグラフィックデザイナーのメンバーが企画した。消火や救命の訓練を試す消防士体験もある。
公園でも体験会が開かれた。レポーターの取材体験では、5年生女子の2人が新人消防士にインタビュー。そのあと演説体験会にも参加し、「市長候補」の演説までやってのけた。父親たちの仕事と職業の一端を経験する試みに、周りから拍手が湧いた。
在校生も卒業生も、PTAもご近所の家族連れも、かつて活動したOB「レジェンド会員」も顔を出した。夕刻にはハウスで10周年祝賀会が開かれた。小林さんに尋ねたら「ここ数年で一番おいしいお酒が飲めました」との言葉が返ってきた。
(北嶋孝)
【関連リンク】
・西東京市立中原小学校 父親(オヤジ)の会(HP)
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