女性市議が暮らしや思いを語る 西東京市パリテまつりで

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2018年2月8日

語り合う7人の女性市議と司会の石崎節子さん(左端)(NPO法人生活企画ジェフリー提供)

 西東京市女性市議、全7人が自らの暮らしや個人の思いなどを語るシンポジウム「女性市議の本音でトーク~自分らしく市民とともに~」が2月3日に開かれた。9日まで開催する「男女平等推進センターパリテまつり」の新企画。市の協力を得て実現した。78人の市民などが集まり、熱心に耳を傾けていた。

 3日、開会に先立ち、このシンポジウムを企画したNPO法人生活企画ジェフリー理事長の渡辺美恵さんは、「前回のパリテまつりで上映した、女性参政権の先駆者、市川房枝さんの映画に大きな反響があったことなどから、市内にいるすばらしい女性市議のみなさんにご登場いただき、平等という意味を持つパリテからお考えを発信したいと思い、企画しました」と思いを込めた。

 登壇したのは、大竹あつ子(共産)、加藤涼子(生活者ネット)、後藤優子(生活者ネット)、納田さおり(無所属)、藤田美智子(公明)、保谷清子(共産)、保谷七緒美(自民)(50音順)の市議。進行役は、市の男女平等参画推進委員会委員長で国際女性の地位協会理事の石崎節子さん。

 石崎さんは、「7人の女性市議が何を考え、どんな暮らしをしているのか知っていただき、西東京市が住みやすい町になるヒントになればいい。市議会にも関心をもっていただきたい」などと話した。

 質問は18歳の頃政治に興味があったか、議員になって感じたこと、暮らしの場から男女が平等に生活する知恵、議員数が少ない女性議員を増やすために必要なことなど。これらに対し各議員が答えた。

 その中で印象的だった話を紹介すると、並び順に保谷七緒美さんは、議員になって感じたことについて、「最初、議会は日本語を話しているのだろうか、と思いました。分からない言葉ばかりが飛び交い、泣きました。経験を積むうち、的確な答えをみなさんにお返しできるようになり、お役にたてて嬉しい」と話した。

 保谷清子さんは、次世代の女性に期待することについて「政治社会経済について話し合うことが大切です。対話が許されなかった戦時中はどんな時代だったか考えてほしい。対人恐怖症に似た症状で苦しんだ辛い経験があるので、対話の大切さを実感しています」と話した。

 藤田さんは、夫との家事の役割分担について、「冷蔵庫内の食材の定位置定量を決め、中身が一目で分かるようにして、夫も買い物できるようにしました。更に調味料の配合を書いた簡単な料理レシピを冷蔵庫に貼ったところ、夫の料理のレパートリーが増え、今では家事の9割は夫がやってくれます」と笑顔を見せた。

 納田さんは、18歳の頃を振り返り、「中学高校時代は生徒会長でした。先生から女性の会長が必要だと言われ、みんなの推薦を受け、私なんかでいいのかなと思いながら出馬しました。15歳からいまだに選挙している人生です。市議になって良かったことは、全国の女性議員と出会い繋がれたことです」と話した。

 後藤さんは、女性議員を増やすことについて、「政治活動に興味がない生活をしてきましたが、今市議をやっています。政治家は普通の人です。地域に暮らし、生活の中で困ったことなどの疑問を議会で質問して反映します。議員になるには、選挙の投票理由などをご家庭で話し合うのが一番の近道ではないでしょうか」と話した。

 加藤さんは、18歳の頃の政治への興味について「保谷高校時代が一番、政治意識が高かったと思います。チェルノブイリ原発の後でした。何とかしたかったので、学校の文化祭で展示しました。市民側から問題に向かうおうと思っていましたが、市議になり地域のことを考え続けられる時間を与えていただき嬉しいです」と語った。

 大竹さんは、政治意識、女性議員を増やすことについて、「二人の兄を持つ長女です。母からは女なのだから家事をやるのは当たり前、と言われながら育ち、反発心を持っていました。男女平等、女性問題に関心を持つ根本になったと思います。専業主婦じゃないと分からないこともたくさんあります。身近な生活の延長と考えていただきたい」と話していた。

 

参加者全員で記念撮影(NPO法人生活企画ジェフリー提供)

 

 西東京市の自慢できること、についてはほぼ全員が、「市民力、人材」を挙げていた。

 最後に、企画した渡辺さんは、「機会があったら次回は男性市議に男女平等参画の視点から、この町はどのように変えたらよいか、などお聴きしてみたいと思います」と語った。
(柿本珠枝)

 

【関連リンク】
・第10回 西東京市男女平等推進センターパリテまつり 女と男 一緒につくろう平和な未来(西東京市Web
・NPO法人生活企画ジェフリー(HP

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

(Visited 888 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA