多摩観光推進協議会 「東京多摩」へ外国人客を誘致

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2018年4月26日

多摩観光協議会会場案内

 東京都商工会連合会多摩観光推進協議会は、2020年東京五輪・パラリンピックに向け外国人旅行客などを多摩地域へ誘致する取り組みを実施している。4月23日には第2回協議会が、昭島市のフォレストイン昭和館で開かれ、同会員約40人が参加。事務局が提出した議案、2017年度事業報告と2018年度事業計画(案)が挙手多数で採択された。事業決定は5月末の見込み。

 この協議会は昨年9月に発足。同連合会、多摩地域の商工会、東京都農業協同組合、観光に関する団体、企業などで構成されている。東京都の補助事業として「多摩の観光・産業振興ネットワーク事業」を実施。「もう一つの東京、多摩」の魅力を発信する、マップの作成、古民家の宿泊体験モデル、多摩をめぐる観光ルートの開発、情報発信の4つのプロジェクトを展開している。

 

東京都商工会連合会村越政雄会長が挨拶

 

 23日の会議では、まず東京都商工会連合会会長の村越政雄さんが、「来年のラグビーワールドカップ、東京五輪などで政府は4000万人以上の外国人旅行者の訪日を見込んでいます。これを機に多摩地域の魅力を世界に知ってもらうのが目的です。協議会では呼び方も『多摩地域』ではなく誰もが分かるよう『東京多摩』に変えようと思います」と挨拶した。

 続いて第1号議案、昨年度実施した4つのプロジェクトの事業報告があった。観光マップは、日本語、英語の2言語に対応し、持ち運びやすいA6版に畳める。西を上に新宿から多摩地域を俯瞰している。鉄道沿線、観光施設、文化などを紹介。各5万部作成した。観光図鑑は、A6版のカードタイプ1セット30種。自然、文化、食などをテーマに写真で紹介。日本語版1万セット、英語版5000セット作成。単品もある。

 

東京都全体立体マップ(右)と観光図鑑(左)

 

 古民家の宿泊体験モニターは、檜原村で宿泊できるモデル地域を調査。先月、日本人、在日外国人を対象に実施された各体験ツアーの説明があった。概ね高評価だったという。

 多摩をめぐる観光ルートの開発は、北多摩地域(武蔵村山市、東大和市、東村山市、清瀬市、小平市、西東京市、東久留米市)が参加。武蔵野うどん作り体験を中心とした観光モデルルートを開発し、今年1月と2月「武蔵野Oh! うどん日帰りツアー」を行った。

 情報発信は、多摩地域の情報を発信するホームページ「AT-TAMA」(Another TOKYO TAMA もうひとつの東京、多摩)を開設。Facebook、Instagramも運用している。情報量、認知度に課題があるとの説明があった。

 30年度の事業計画(案)では、前年度の4つの各プロジェクトのグレードアップを図っている。観光マップは西武線、JR線を基幹とした多摩エリア編を作成。観光図鑑はテーマ別(自然、文化、食、遊、癒、祭)に作成する。

 古民家宿泊体験では、檜原村の宿泊体験、地元食、温泉施設など参加者からのアンケートを集約、分析する実証実験を行い今後に生かす。西多摩地域以外でも実施する。

 同観光ルート開発は、西多摩地区で宿泊モニターツアーなど、南多摩地区は各市の観光施設等を自転車で巡るポイント制イベント、北多摩地区では今年7月から11月頃、5市の観光施設を巡るカードラリーを実施する。

 情報発信では、AT-TAMAサイトの動画コンテンツを増やすなど取り組む。

 2つの議案が採択された後、東京都全体立体マップなどが紹介された。同協議会事務局長の駒治徳さんは、「立体化することで海抜ゼロメートルの東京湾から23区と多摩地域の高低差、山や渓流の自然を表現しています。額縁は東京産材を使用しています。今後観光マップや図鑑と一緒に各地に常設展示します」と説明した。

 会議に出席した西東京商工会会長の大河内一紀さんは「多摩地域の商工会が自ら多摩の魅力を発見発信することが大事だと思います。私も知らなかったような奥多摩の魅力も紹介され、改めて勉強させていただきました。西東京市内にも多摩六都科学館を含めた素晴らしいところがたくさんあるので、PRしていきたい」と話していた。
(柿本珠枝)(写真は筆者提供)

 

【関連リンク】
・「AT-TAMA」(Another TOKYO TAMA もうひとつの東京、多摩)

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

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