現代に生きる「アイヌ」の写真展 東村山市在住の宇井眞規子さん
現代を生きるアイヌを26年間にわたり撮影してきた東村山市在住の写真家・宇井眞紀子さんが、写真展「アイヌ、現代の肖像」を開いている。北海道二風谷(にぶだに)と東京で暮らすアイヌの人たちを撮影した。会場は津田塾大学小平キャンパス交流館(鷹の台下車)で19日まで。12日には同会場で講演「アイヌの傍らで撮影を続けて」も開かれる。
アイヌは明治5年(1872年)、現北海道大学付属北海道土人教育所が設置されてから、長く一方的に研究の対象とされてきた。日本の先住民としてアイヌが認められたのは、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を国会採択した2008年のことだ。しかし、無理解と差別はいまだになくなっていない。
宇井さんは1992年にアイヌの聖地でもある北海道・二風谷地区を訪ねてから、26年間アイヌの人たちを撮影してきた。草原に座る母が伝統楽器のトンコリを持つ息子をやわらかく見守る表情がほほえましい。草原の中での撮影がよく似合う。
アイヌは北海道に住む人たちと思われてきたが、関東には約5000人が暮らしている。東京でもアイヌの伝統衣装に身を包んだ結婚式を撮影した。宇井さんは、アイヌを迫害した和人であることに引け目を感じてきたが、時間をかけて暮らしに寄り添い、学びながら自分を充分に理解してもらったうえで撮影に臨んだ。
2017年には第1回笹本恒子写真賞を受賞、「アイヌ、100人のいま」(冬青社)も出版した。東京の廃線などを撮った「眠る線路」などの本も出版している。
(川地素睿)
【関連リンク】
・宇井眞紀子写真展『アイヌ、現代の肖像』/講演会『アイヌの傍らで撮影を続けて』(津田塾大学)
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記事ありがとうございます、先月、千葉9条連の総会に出た時にアイヌであり、古布絵作家でもある宇梶静江さんにお会いしました。9条連にみ長く関わって下さっている方です。
小金井で以前、古布店展をやったこともあります。
12/20までの署名を依頼されました。アイヌ遺骨の返還訴訟が全国でされていますが、2020年に北海道白老町に大学などに保管されている1月600以上のアイヌ遺骨が集約される予定のようです、地域返還を優先すべきだというアイヌ政策推進会議菅氏への質問状です。
多摩六都にウポポイ開館記念に関連してアイヌ資料の展示をしています。