地方紙の元旦紙面がずらり 小平市立図書館で「ふるさとの新聞元旦号展」
全国各地にある地方新聞の元旦紙面を集めた新年恒例「ふるさとの新聞元旦号展」が小平市中央図書館で開かれている。手に取って読むことで地方の今に触れることができる。1月10日まで開催し、その後、上宿図書館(12〜16日)、大沼図書館(19〜24日)、小川西町図書館(26〜31日)を巡回する。
今年で39回目を数える人気企画。今年は全国の地方新聞約60紙に元旦紙面の寄贈を依頼し、約40紙のブロック紙、県紙、地域紙が集まった。
1月1日付けの地方新聞は、地元出身の有名人へのインタビューや特ダネ、連載企画の初回など各紙ともカラー写真と共に力のこもった記事を掲載する。
例えば「岩手日報」は、米大リーグで新人王に輝いた大谷翔平選手と西武からシアトル・マリナーズへの移籍が決まった菊池雄星投手という、共に岩手県出身の大リーガーの対談を掲載。「いつからプロ野球選手を目指していましたか?」といった地元の小中学生からの質問に2人が答える企画も加えた。
今年は世界の大きなうねりに着目した記事が目立った。
栃木県の県紙「下野新聞」は、地球温暖化や気候変動への対応策を伝える連載「気候変貌」を開始。「静岡新聞」は「サクラエビ異変」と題する連載で、不漁に陥っているサクラエビの秋漁が昨年打ち切られたという史上初の事態を取り上げ、背景にある乱獲や環境変化をレポートしている。
「琉球新報」の連載タイトルは「沖縄フェイクを追う」。昨年9月の沖縄県知事選で玉城デニー候補(現知事)や故翁長雄志前知事をおとしめるフェイクニュースばらまかれた。連載記事は、その発信源を追う調査報道を展開している。
中央図書館によると、「出身地の新聞を読むことができてなつかしい」という声が多く寄せられ、より多くの市民の目に触れるよう、今年から小川西町図書館での展示も始めたという。熱心に紙面をめくっていた小平市に住む40代の男性は「地元出身の芸能人やスポーツ選手が登場するので面白い。ここ数年、毎年来ています」と話していた。
(片岡義博)
【関連リンク】
・第39回 ふるさとの新聞元旦号展のお知らせ(小平市立図書館)
【筆者略歴】
片岡義博(かたおか・よしひろ)
1962年生まれ。共同通信社記者から2007年フリーに。小平市在住。嘉悦大学非常勤講師(現代社会とメディア)。
良い試みですね。是非、西東京市図書館もやってもらいたいなぁ。
2年連続、記事を掲載しました。本の福袋やこの企画はおもしろい試みですね。