一般会計予算案は2712億8900万円で過去最高 練馬区長会見

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2019年1月24日

「”第2次みどりの風吹くまちビジョン“を前に進める」と語る練馬区の前川燿男区長

 東京都練馬区の前川燿男あきお区長は1月23日に記者会見を開き、2019年度の一般会計予算案を発表した。予算額は2712億8900万円、前度当初予算より76億3100万円、2.9%増となって過去最高を記録した。

 歳出では、高齢者・障害者対策、生活保護などの「保健福祉費」が817億6100万円(30.1%)と前年度比22億9200万円、2.9%増えた。保育所や児童館、児童手当などの経費となる「子ども家庭費」が711億400万円(26.2%)で前年度比10.0%増、小中学校や幼稚園、図書館などの「教育費」が330億7700万円(12.2%)、1.4%増となり、この3つを合わせると全体の68.5%、約7割を占める。

 

発表資料から(クリックで拡大)

 

 性質別に見ると、義務的経費は1460億5600万円で全体の53.8%を占め、前年度比4.1%増となった。このうち生活保護費、私立保育所運営費、障害者自立支援給付、児童手当などの扶助費が937億円8800万円と前年度比4.7%増。人件費は退職者が増え、9億5500万円と同2.1%増だった。
 投資的経費は246億3800万円(9.1%)となり、公園新設費や小中学校建設費の減で前年度比29億200万円、10.5%の減だった。

 歳入は税収が好調。特別区民税が671億9400万円(24.8%)となり、前年度比15億4700万円、2.4%増だった。しかし法人住民税の一部国税化、地方消費税の精算基準の見直し、ふるさと納税の影響で、既に単年度で90億円の減収が生じ、新年度には法人住民税の一部国税化の拡大によってさらに30億円の減収になると見ている。

 練馬区は昨年6月、区の将来像を示す「グランドデザイン構想」をまとめ、基本計画となる「第2次みどりの風吹くまちビジョン」(素案)を発表した。前川区長は「今度の予算は、この第2次ビジョンに基づいて作った」と述べ、「ビジョン」で掲げた6つの柱に沿ってリーディングプロジェクトを紹介しながら新年度予算の主な事業を説明した。

 「保育サービスの充実」では、真っ先に「待機児童ゼロ」を掲げ、「今年4月にはゼロを達成します」と語った。「子育てサポート」関連では、気軽に育児相談の出来る「練馬こどもcafe」を創設。(仮称)母子健康電子システムの構築に着手し、妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポート体制を実現するため、2021年度中の運用開始を目指す。全国に先駆けて、学校徴収金管理システムの運用を開始。会計処理を迅速、正確に行い、教員の負担軽減を図る。

 高齢者施策では、特別養護老人ホームの整備、在宅サーボスの充実を図る。具体的には都内最多の29施設ある特養ホームを新年度にさらに2カ所開設し、5施設を整備して計34カ所、2470人の定員を確保する。お茶を飲みながら介護予防を学べる「街角ケアカフェ」は区内25カ所の地域包括支援センターでなどで実施しているが、新年度は新たにコンビニや薬局で「出張型」の街角ケアカフェを実施する。

 このほか遅れている道路整備を進め、大江戸線の延伸を国や都とともに進め、西武線立体化事業では上石神井・武蔵関駅周辺のまちづくりを推進する。区立美術館を核にしたまちづくりを構想。世界農業サミットを開催などの事業を盛り込んだ。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・平成31年度当初予算案プレス発表(みどりの風吹くまちへ グランドデザイン構想の実現に向けて)(練馬区
・第2次みどりの風吹くまちビジョン(練馬区版総合戦略)(練馬区

 

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