シャッター画

中学生の「シャッター画」お目見え 西武柳沢駅前のかばん工房「クラクフ」に

投稿者: カテゴリー: 暮らし子育て・教育文化 オン 2020年1月16日

 西東京市保谷町3丁目の手創りかばん工房「クラクフ」のシャッターに、カッコいい絵がお目見えした。シャッターをキャンバスにして、お店のかばんや手提げなどが描かれている。市内の保谷中学校美術部の生徒たちが昨年夏から手掛け、年末に完成した。閉店後にライトアップされ、道行く人たちの目を引いている。

シャッター画の右下に「令和元年度 保谷中学校 美術部」(クリックで拡大)

 かばん工房「クラクフ」は西武新宿線西武柳沢駅前の商店街にある。店主の橋本直巳さんは保谷中学校のOB。同校美術部顧問の清水信博先生の熱意に応えて、シャッター画制作の依頼を快く受け入れた。絵は店内の仕事場をデザインし、かばんや手提げ、工具なども取り込んで落ち着いた色調に仕上がった。

 

部長の下絵がシャッター画に

 

下絵を持つ美術部長の佐藤心春さん(クリックで拡大)

 当初私は、風景や人物などを生徒が自由にシャッターに描いたものだと想像していた。だからその絵を実際に見たときはとても驚いた。絵は店内のイメージが描がかれていた。営業内容に関連のない絵なら中学生の「発表の場」だけになる。しかし店内の様子を描き、仕事場のイメージが浮かぶ絵なら、閉店後にも宣伝ができ、お店にもプラスになるだろう。「これを中学生が描いたんだ。すごい」。率直に、感動した。

 シャッター画の制作は、清水先生と美術部員の生徒が来店。清水先生が写真を撮り、生徒たちは店内をつぶさに見学した。その後、生徒たちが学校で下絵を描いた。できあがった絵の中から店主の橋本さんは一つを選んだ。美術部長の佐藤心春こはるさん(14)が描いた絵だった。「これって、言ってくれました」と、佐藤さんは指差す仕草を交えて教えてくれた。

 

大人がサポート、中学生の活躍の場

 

 中学生が普段、市内で活躍する場所は、ありそうであまりない。ゴミ拾いなどの環境浄化活動や挨拶運動、お祭りのボランティアなどはよく聞く。しかし、自分が参加している部活動が、地域で表現の場となり役に立つ機会は珍しい。

 今回、生徒のために奔走した清水先生は、前任の神津島の学校で、壁画をたくさん描いていた。西東京市に赴任して「保谷中の生徒にも壁画を描かせてあげたいと思った」のが今回のシャッター画制作のきっかけになったと言う。

 店長の橋本さんも、保谷中のOBと言う縁もあり、生徒達のために一肌脱いだ。
 子ども支援が人生のテーマと言っている私に「こんな活躍をしている生徒と先生がいるよ」と教えてくれたのも、日頃から学校や生徒の応援をしている大人の市民だった。

 

営業中の「クラクフ」はこんな感じ。店主の橋本さんの姿も

橋本さん(右)と美術部の生徒たち

 

仲の良い美術部員

 

 後日改めて、保谷中の美術部を見学した。現在の部員は1、2年合わせて23人。部長の佐藤さんは2年生で、夏にはまだ部長ではなかった。シャッター画に取り組みながら、新しく部長としての役割を引き受け、活動している。

 「最初は、部の活動方針などで悩んだときもありました。でも副部長や先生に支えてもらって、今は楽しいです。美術部は和気あいあい。清水先生は、あんまり厳しくなくていい」と笑った。

 1年生の女子3人に聞いてみた。「佐藤部長はどんな人?」。「優しい先輩。気にかけてくれる。しっかりしてる」。1年生から即座に答えが返ってきた。日頃の仲の良さが伝わってくる。絵を見た佐藤さんの親が「暑い中、頑張ったね」と褒めてくれた。これから「シャッター画を見たよ」と言ってくれる人が増えてくるに違いない。

 早朝や夜に柳沢商店街を通った時は、ぜひともシャッター画に注目して欲しい。すてきに仕上がって、道行く人を見つめている。

 

お米の袋がバッグになる

 

 シャッターが上がっていたら、ぜひ店内に入って、手作り、オリジナルのクラフト製品を見てほしい。お米の袋をバックにした素敵な作品を私も手に入れた。持っていると、みんなに褒められますよ。
(石田裕子)

 

【関連情報】
・手創りかばん工房「クラクフ」(HP
・西東京市立保谷中学校(HP

 

石田裕子
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