ラジオで小平と清瀬の情報を発信 FMひがしくるめ「ほくほくラジオ」

投稿者: カテゴリー: メディア・報道 オン 2020年3月14日

放送中のスタジオ。左端がシン☆神山さん、左から3人めが出口みちたかさん

 ラジオで小平市と清瀬市を中心とした情報を発信する新番組「ほくほくラジオ」が、東久留米市のコミュニティーFM局「FMひがしくるめ」でスタートし、3月13日にその第2回が放送された。ラジオを情報発信拠点に行政区域を越えた自治体と民間が手を携え、地域一帯を活性化するユニークな試みだ。

 近年急増しているコミュニティーFMは、災害時に地域に密着したきめ細かな情報を伝えるメディアとして注目されている。しかし現在、北多摩北部の5市(西東京市、小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市)のうち、小平市と清瀬市にだけコミュニティーFM局がない。

 このため両市の職員有志でつくる「プロジェクトK2」が、両市の間に位置する東久留米市のFM局から情報を伝える新番組を企画した。番組名の「ほくほく」(北北)には、2市に限らず「北多摩」「北部」の情報を伝えようという意味を込めている。

 

本番前の打ち合わせ風景

 

 番組は毎月第2金曜午後8時から約1時間、西武池袋線東久留米駅近くの成美教育文化会館1階の専用スタジオから生放送する。毎回、地元で活躍するゲスト2人を招いてトークを繰り広げ、音楽を挟んでイベントや催しの情報を伝える構成だ。

 2月14日に放送した第1回のゲストは、西東京市で活動する吹奏楽団の「ノーザンシックス・ビッグバンド」と「TOKYO-West ウインド・オーケストラ」のメンバーだった。第2回は清瀬市総務部総務課の海老澤雄一さんとfoo&bar DESIGN代表の出口みちたかさんをゲストに招いた。

 

外からガラス越しにスタジオ内が見える。左端中央が海老澤雄一さん

 

 海老澤さんは2014年から清瀬市役所の屋上で養蜂を営む「東京清瀬市みつばちプロジェクト」のリーダーを務めてきた。真夏の屋上は照り返しで気温が50度にもなるうえ、ハチに刺されて顔が腫れ上がったという苦労話を交え、採集した蜂蜜を使って地元業者がマドレーヌや美容保湿ジェルを商品化した話題を紹介した。

 

調整室から見たスタジオ内

 小平市に住む会社員の出口さんは、グリーンロード沿いの「たけのこ公園」で“無料コーヒー屋台”を出すなど、地元と交わりながら街を盛り上げるさまざまな企画を仕掛けてきた。最近、仲間と作成したのは、テークアウトや出前、宅配ができる小平市内の飲食店をまとめたアプリ「KODAIRA BENTO MAP」だ。自宅での飲食に便宜を図ることで、新型コロナウイルスによる自粛ムードでダメージを受けている地元飲食店の力になりたいという思いを語った。

 番組の構成・パーソナリティーを務めるのは、「シン☆神山」こと小平市文化振興財団事業課長の神山伸一さん。「子供の頃からのラジオっ子」とあって進行も堂に入っている。

 「行政やイベントの情報は市報やチラシといった紙媒体がほとんどだが、声を通じてこそ伝わるものがある。紙媒体でもウエブでもないラジオの特性を生かした情報発信を地域に根付かせ、地元で活躍する人をどんどん紹介していきたい」と意欲的だ。他の市職員スタッフも市の広報活動の一環としてボランティアで参加している。

 

FMひがしくるめが入っている成美教育文化会館(ひばりタイムス提供)

 

 FMひがしくるめの周波数は85.4MHzで出力は2W。番組はスマホやパソコンでも聴くことができる。代表でディレクターの高橋靖さんは、送信電力の増力も視野に入れながら「番組を通じて北多摩北部エリアにおける情報発信の核となっていきたい」と話している。
(片岡義博)(写真は筆者撮影)

 

【関連情報】
・ほくほくラジオ(facebook
・FMひがしくるめ(HP
・東京清瀬市みつばちプロジェクト(清瀬市
・「KODAIRA BENTO MAP」市民有志が作成(北多摩経済新聞

 

【筆者略歴】
 片岡義博(かたおか・よしひろ)
 1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。著書に『文章のそうじ術』(言視舎)など。小平市在住。

 

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ラジオで小平と清瀬の情報を発信 FMひがしくるめ「ほくほくラジオ」」への1件のフィードバック

  1. 1

    取材、記事掲載ありがとうございます。
    これからも、よろしくお願いいたします。

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