外出自粛で家庭ごみが増加 自治体は減量を呼びかけ
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、家庭ごみの量が増加している。外出自粛によって自宅で食事や仕事、不用品処分をする機会が増えたことが要因とみられ、西東京市や小平市などは市民にごみ減量への協力を呼びかけている。
例年3、4月は引っ越し時期のため家庭ごみの量は増える傾向にあるが、外出自粛によって拍車がかかっている。
清瀬市、東久留米市、西東京市の廃棄物を処理している柳泉園組合(東久留米市)によると、今年2月のごみ収集車による可燃ごみの収集量は3292トンで、前年同月の3225トンに比べると2%増にとどまっていたが、3月になると4011トンとなり、前年同月の3540トンに比べ13%増えた。緊急事態宣言が出され、より一層の外出自粛が求められた4月はさらに増えることが予想される。
西東京市ごみ減量推進課は「外出自粛によって自宅の不要品の処分を進める家庭も増えているようだ。不燃ごみが増え、粗大ごみの収集にも遅れが生じている」という。
小平市は昨年4月に家庭ごみの有料化を始めたことで平均10%以上のごみ減量化を実現した。しかし緊急事態宣言を受けて職員の出勤・在宅の2交代勤務を導入したこともあり、「資源とごみの収集や処理を通常どおり行うことが困難な状況」(資源循環課)として公式サイトなどで、ごみ排出抑制への協力を求めている。
切実なのは資源回収した古着類の処分だ。衣替えの時期に加え、引っ越しや外出自粛による衣類の整理・処分によって廃棄量が増えているうえ、輸出先のアジア各国がコロナ禍で受け入れを停止しているため一時保管所が満杯状態にある。各自治体は処分を急がない古着類の自宅保管を呼びかけている。
さらに問題となっているのが使用済みマスクの処分だ。環境省の通知を受けて西東京市、東久留米市、小平市は感染が疑われる家庭で鼻水やつばが付いたマスクやティッシュを捨てる際は「ごみに直接触れない」「ごみ袋はしっかり縛って封をする」「ごみを捨てた後は手を洗う」などに注意するよう公式サイトで伝えている。
使用済みマスクは可燃ごみに入るが、プラチック容器包装類の袋に交じっているケースが目立つという。西東京市ごみ減量推進課は「市報などを通じて分別を徹底するよう協力を求めたい」としている。
(片岡義博)(写真は筆者撮影)
【関連情報】
・コロナウイルス感染拡大に伴う資源とごみの排出の抑制について(小平市)
・新型コロナウイルス感染症に関するマスクなどの捨て方(小平市)
【筆者略歴】
片岡義博(かたおか・よしひろ)
1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。著書に『文章のそうじ術』(言視舎)など。小平市在住。