臨時給付金5万円を全会員にスピード支給 西東京市の柳盛会柳沢北口商店街

投稿者: カテゴリー: 新型コロナウイルス暮らし オン 2020年4月30日
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臨時給付金を説明する橋本直巳会長(手創りかばん工房クラクフ、柳盛会提供)

 西東京市の柳盛会柳沢北口商店街(橋本直巳会長、会員92人)が4月27日、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受ける全会員に一律5万円の臨時給付金を渡した。総会発議から1週間足らずのスピード支給。必要なときに必要な手立てを講じる地元商店街ならではの頼もしい早業だった。

 橋本会長によると、緊急事態宣言など新型コロナウイルスの影響により、商店街で休業しているのは20店、営業時間を短縮しているのは37店に上る。「特に飲食店への影響が大きい」という。

 このため21日の役員会で対策を協議し、今後の運営を考慮した上で「ギリギリ」の5万円を臨時給付することになった。月会費2500円の20ヵ月分。関連団体分を差し引いた実質会費1700円で計算すると、臨時給付金はほぼ30ヵ月分に相当する。

 翌22日に臨時総会の議案書を配布。書面による説明を経て、23日には回答した84人全員の賛成で可決した。27日は不在の3人を除き、役員らが手分けして全会員に5万円を手渡した。

 橋本会長は「みなさん、待っていてくれました。気持ちよく受け取っていただき、速やかに終えました」と息をつく。「不在だった会員は連絡を取って渡します」と言いながら、「でも、これで事態が解決するわけではないので、これから(国や都の協力金、給付金などの)申請手続きなどをサポートしたい」と商店街の役目に触れていた。

 柳盛会は西武新宿線の西武柳沢駅北口周辺の商店などが会員となっている。会員減少に悩む商店街が多いなかで、会員が増えている珍しい団体だ。店主が講師になって、自分たちが扱う商品やサービスの知識を市民と分かち合う「まちゼミ」を実施。市民団体らが実行委員会形式で開く「やぎさわマーケット」を後押しするなど、まちに賑わいを生み出すイベントにも積極的だった。

 もう一つ、地道な取り組みもあるという。空き家の多い古い建物の地主らと話し合いを重ねてリニューアルしてもらったら、新しい店が入るケースが続いたという。「2年前は80人前後だった会員が、いまは90人を超えました。どうしてかと、よく尋ねられます」。

 日ごろ足腰を鍛えていると、いざというときに力が発揮できる。人も組織も、たくましくなる道理は似ているかのもしれない。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・柳盛会柳沢北口商店街(西東京商工会

 

北嶋孝
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