国史跡指定候補地の住民に個別説明へ 下野谷遺跡

投稿者: カテゴリー: 文化 オン 2015年5月13日
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 縄文時代の大規模な環状集落跡地として知られる下野谷遺跡(西東京市東伏見)の保存・活用を考える西東京市教育委員会主催の「住民説明会」が[2015年]5月12日(火)、市内の東伏見小学校で開かれた。今年3月に国史跡に指定された範囲は、下野谷遺跡公園や隣接農地など住居のない土地。今後は周辺の「指定候補地」住民らに個別に説明、理解を得たうえで遺跡の保存・活用を進めていく方針が明らかにされた。

 住民説明会は昨年から4回目だが、今年3月に国史跡に指定されたからは初めて。近隣住民ら約20人が集まった。初めての参加者もいたため、開発の激しい首都圏で縄文時代の環状集落が残されているのはきわめて珍しい、貴重な埋蔵文化財など、国史跡指定の理由が市教委から説明された。

 大規模な環状集落跡地のため同遺跡周辺は「周知の埋蔵文化財包蔵地」(文化財保護法)。このため土地を掘るなどの工事は国に「届け出」が必要。史跡になるとこれが「許可」制になり、地権者の土地利用や開発に制約が生じる。このため「候補地」住民からは、だれがどのように「候補地」を決めたのかなど、決定手続きなどに不満や意見が相次いだ。

 

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意見が相次いだ下野谷遺跡「住民説明会」。東伏見小学校。禁無断転載

 

 これに対して市教委側は、候補地は専門家の意見を基に決めたが、住民の同意なしで国史跡にすることはないなどと説明。固定資産税の減免措置や、譲渡、売却の際の控除などは個別の事情によって違いがあるので、早ければ夏以降、順次個別に説明して理解を得たい、と述べた。
 *指定候補地については次の記事を参照:「下野谷遺跡の指定候補地が明らかに」(2014年11月26日)
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・祝 下野谷遺跡 国史跡指定 決定!(西東京市Web

 

 

北嶋孝
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