ルネこだいらで市民ピアノリレー 半年ぶりに自主公演を再開

投稿者: カテゴリー: 文化 オン 2020年8月30日

ベーゼンドルファーでブラームスを連弾

 ルネこだいら(小平市民文化会館)の大ホールで「世界3大ピアノ」の一つ、ベーゼンドルファーを子どもからお年寄りまでが次々に演奏する第15回「市民ピアノリレー」が8月30日開催された。新型コロナウイルス感染拡大のため、2月から主催公演を中止・延期していた小平市文化振興財団の半年ぶりの自主公演となる。

 

 音楽の都ウィーンで1828年に誕生したベーゼンドルファーは、スタインウェイ、ベヒシュタインと並ぶ世界3大ピアノ・ブランド。超絶技巧で知られる作曲家・ピアニストのフランツ・リストに認められたことで名声を高め、その深く多彩な音色はヴィルヘルム・バックハウスやオスカー・ピーターソンら名だたるピアニストを魅了してきた。

 

 ルネこだいらにある最上位の「モデル290」は標準の88鍵より低音域が9鍵多い97鍵の鍵盤でピアノ最大の音域を持つ。市民ピアノリレーは、この高価で希少なピアノを使った演奏を約1200席の大ホールで発表する機会を無料で提供しようと企画され、今年で15回目を迎えた。

 

ルネこだいら大ホールで演奏を披露

 

 今年は48組の応募から選ばれた小学1年生から70歳代までの30組が出演。午前11時から休憩を挟んで午後4時すぎまで、主婦、会社員、学生、ピアノ教師ら初級者から上級者までが1組5分以内か10分以内でクラシックを中心にポップス、童謡の独奏や連弾、アンサンブルを次々に披露した。

 

 コロナ禍で発表会やコンクールが軒並みなくなり、出演者にとっても観客にとっても生演奏は久々の機会。出演者は「ピアノは15歳から弾いていなかったが、娘に勧められて応募した」(主婦)、「コロナ禍で長年続けてきた連弾の練習すらできなかったけれど、今日は舞台で演奏できる喜びを味わいたい」(主婦ら2人)などと、それぞれの思いを抱いて演奏に臨んだ。約100人の観客は各演奏者の真剣な演奏に熱い拍手を送っていた。

 

 ルネこだいらではコロナ禍で公演の中止・延期が続いていただけに、スタッフにとっては満を持しての主催公演再開となった。これ以後、延期となっていた恒例の「ルネ・お笑い演芸館」をはじめ「1hourコンサート」「アフタヌーン・コンサート「ランチタイム・コンサート」など主催公演が次々再開される。
(片岡義博)

 

【参考情報】
・第15回市民ピアノリレー(ルネこだいら

 

【筆者略歴】
 片岡義博(かたおか・よしひろ)
 1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。小平市在住。

 

 

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