別人の胃がん検診結果を通知 練馬区で2015年度から計8人に

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙健康・福祉 オン 2020年10月23日

 練馬区は10月22日、練馬区医師会に事業委託した胃がん検診で、別人の検査結果を2015年から計8人に誤って通知していたと発表した。このうちの1人は、本来「要精密検査」だったのに「異常なし」と通知していたため、近く再検査の予定という。

 

 発表によると、今年7月に区が実施した胃がん検診(バリウム検査)で、医師が昨年度の画像と比較読影したところ、受診者の1人が同一人物ではないと分かったことが端緒となって4人の誤りが発覚した。

 

 検診の際、「問診票」には受付順に、受け付け番号がナンバリングされる。しかしレントゲン撮影は受け付け番号順ではなく、着替えなど準備が早く出来た人から順次撮影する。このため撮影順のレントゲン画像は、必ずしも受け付け番号順にはならない。ところが今回の事故は、「医師会職員が撮影順に受け付け番号を修正したため、レントゲン画像が異なる個人と結びついた」としている。

 

 区が医師会に過去の事例の再調査を求めた結果、2015年度2人、2018年度2人の誤通知も判明した。2015年の2人のケースは今回と同じく、撮影順に受け付け番号を変更していた。2018年の場合は、受け付け番号を検診システムに入力する際に誤った受け付け番号を入力したという。

 

 別人の検査結果を通知した8人のうち、1人は「要精密検査」なのに「異常なし」だったので、近日中に再検査することになった。ほかの6人は別人の結果が本人の検査結果と同じ。残る1人は「異常なし」が「要精密検査」だった。

 

 区は8人に対し、経緯を説明するとともに謝罪した。今後は医師会とともに再発防止策を講じ、(1)レントゲン撮影終了後の確認作業を複数職員で実施(2)受診番号はいかなる場合も修正してはならない、などを徹底するとしている。

 

 区健康推進課によると、2019年度の胃がん検診のうち、40歳以上の区民対象のレントゲン検査を受けたのは1万905人。内視鏡検査(胃カメラ)は50歳以上の区民が対象で、5527人が実施。受診率は両検査を合わせて6.7%にとどまっている。胃がん検診は有料で、レントゲン検査の自己負担金が1000円。内視鏡検査は2000円となっている。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・区がん検診における検査結果の誤通知について(練馬区
・がん検診について(練馬区

 

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