タブレットを手渡す池澤隆史市長

小中学生にタブレット1人1台配布 西東京市でGIGAスクール始まる

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育 オン 2021年4月9日

 西東京市は4月8日、市内の小中学生約1万4000人に1人1台ずつタブレットパソコンを配布した。文部科学省が進めるGIGAスクール構想の第一歩。池澤隆史市長はこの日、市立栄小学校(長尾信一校長)を訪れて5年生のクラスでタブレットを手渡し、「これから使い方を覚えて、勉強するのが楽しいと言えるようなってください」と励ました。(写真は、池澤隆史市長と、代表してタブレットを受け取る山川笑空えそらさん)

 

 午前8時40分すぎ。5年3組の教室で、担任の嶋津絵里生えりい先生が子どもたちの名前を呼んで出欠を確認する。3組はクラス替えしたばかり。前日7日に入学式と始業式があり、1学期が始まって2日目だった。机の上には、真新しいタブレットが置かれている。長尾校長が教室の前に立ち、「今年からGIGAスクールが始まります。みなさんの目の前にあるタブレットを授業に使い、家庭に持ち帰って勉強に役立てます。今日はその第一歩です」と話した。

 

長尾信一校長

「勉強に役立てよう」と話す長尾信一校長(右)と担任の嶋津絵里生先生(左)

 

 池澤市長は「私は北町に住んでいて、3人の子どもはここ栄小学校を卒業しました」と懐かしそうに述べたあと、「みなさんのクラスだけでなく、栄小学校の全児童640人、それに市内の小中学校の児童・生徒全員に1人1台の端末が渡ります。これから先生のお話をよく聞いて使い方を覚え、一緒に頑張ってください」と呼び掛けた。

 

 「じゃあ、ID、パスワードを入れて、ジャムボード(Jamboard)を立ち上げましょう」。嶋津先生の言葉でこの日の授業が始まった。ジャムボードはオンライン上の電子ホワイトボードと呼ばれる学習ツール。タブレットの画面に文字を書いたり図形や写真を呼び出したりできる。苦戦していると、隣の子どもが教えてくれる。嶋津先生は「昨日配布してログインのやり方を覚えてもらったばかり」と言うけれど、できる子どもたちはすぐに慣れてしまった。画面に鉛筆ツールで子どもの顔を描き、図形を引き出したりして学校や住宅などが次々に出来上がった。

 

パソコンで絵を描く

早速漫画風に顔を描く。髪は空色

パソコンを使いこなす子ども

画面に「chromebook」と手描き、ロゴマークも色塗りした

パソコンを使いこなす子ども

こんな絵が出来た

 

 配布されたタブレットパソコンにはあらかじめ学習コンテンツがインストールされている。1人1台だから、特別教室に出掛ける必要もない。通常の各科の授業などで学習ツールとして使い、間もなく家庭に持ち帰りもできるようになる。長尾校長は「今年のテーマはタブレットの使いこなしです。子どもたちもそうですが、教員がこのツールをどの場面でどのように使うか、効果的か。校内で研究していく予定です」と話した。

 

 GIGAスクール構想は文部科学省の提唱で始まったICT(情報通信技術)教育の重要政策。GIGAはGlobal and Innovation Gateway for All の略で、1人1台の端末と高速通信ネットワークを実現し、学校で活用しようと昨年打ち出された。西東京市教育委員会も昨年8月、「GIGAスクール構想基本方針」を定めて取り組んできた。

 

GIGAスクール

大型モニターに先生のパソコン操作が映し出される

 

 その基本方針に掲げられた「教育実践とICTのベストミックスを図り、児童・生徒の力を最大限引き出す」試みはこの日がスタートになった。長い道のりの途中経過を今後、折々伝えたい。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・西東京市立栄小学校(HP
・西東京市GIGAスクール構想基本方針(西東京市Web
・GIGAスクール構想について(文部科学省

 

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