NCNP病院が「コロナ後遺症外来」開設 ワクチン接種に伴う症状にも対応

投稿者: カテゴリー: 新型コロナウイルス健康・福祉 オン 2021年7月16日

 小平市の国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP病院)は、7月12日、新型コロナウイルス感染症の後遺症などに悩む患者に向けた「コロナ後遺症外来」 を新たに開設した、と発表した。(写真は、国立精神・神経医療研究センター病院)

 

 新型コロナウイルス感染症では、急性症状を乗り切った後にも、持続性の咳や呼吸困難、味覚・嗅覚障害、倦怠感や不安感、関節痛・筋肉痛、頭痛、動悸、立ちくらみ、脱毛などの症状が続くことがある。感染時は軽症でも、その後、さまざまな不調を訴えるケースが多くみられ、国内外で問題となっている。

 

 厚生労働省が昨年1月から今年2月に同感染症で入院した患者525人について調べた中間報告によると、約8割は診断から6カ月後には罹患前の健康状態に戻ったと回答する一方、半年後も21%が疲労感・倦怠感、13%が息苦しさ、11%が睡眠障害を訴えるなどした。

 

 こうしたコロナ後遺症については患者によって様態や程度が異なり、解明されていないことも多く、治療法は十分に確立されていない。このため各地の医療機関では、コロナ後遺症外来を開設する動きが出てきている。

 

 またコロナワクチン接種に伴うさまざまな症状には精神・神経に関わるものが多いため、NCNP病院は総合内科(脳神経内科専門医)の医師を中心に、コロナ後遺症に悩む患者やワクチン接種に関連する身体的・精神的症状に対応する専門外来を新設することにした。

 

 具体的には、専門医による問診と診察、MRIなどの脳画像検査、末梢神経検査、採血検査、PCR検査などを行う。受診には診療所や病院からの紹介状や予約が必要となる。

 

 NCNP病院は、精神疾患、神経疾患、筋疾患、発達障害に対応する国立研究開発法人。高度専門医療研究センターとして精神・神経疾患の臨床研究を進める中核的役割を担っている。
(片岡義博)

 

【参考情報】
・コロナ後遺症外来のご案内(NCNP病院
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の 長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究 中間報告(厚生労働省

 

【筆者略歴】
 片岡義博(かたおか・よしひろ)
 1962年生まれ。山口県下関市出身。共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。2009年から小平市在住。

 

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