コロナ禍でゴミのポイ捨て急増 小平市が条例化を検討
コロナ禍による飲食のテイクアウトやコンビニのゴミ箱撤去などの影響で、ゴミのポイ捨てが増えている。東京都受動喫煙防止条例の施行によるタバコの吸い殻のポイ捨ても目立つ。小平市は環境美化のルール化を図るため、市民、事業者、市が果たすべき責任などを明記した条例策定の検討を始めた。(写真は、小平グリーンロードにポイ捨てされた紙コップやプラスティック容器)
新型コロナウイルスの感染拡大による使い捨てマスクのゴミ急増は、世界で環境問題を起こしてきた。不織布素材はプラスチックの一種で分解されずに残るため、漁業や生態系への影響が指摘されている。環境保護団体オーシャンズアジアの試算では、2020年に海に流れ込んだ使い捨てマスクは世界で約15億6000万枚に上るという。
一方で飲食のテイクアウトやデリバリーの普及によって、飲食用の使い捨てプラスティック容器を屋外で投げ捨てるケースが増えている。感染拡大を受けて、スーパーやコンビニが店頭の灰皿、ゴミ箱を撤去したり使用を休止したりしたため、ペットボトルや飲料缶、紙コップ、タバコの吸い殻のポイ捨てが目立つようになった。
小平市環境政策課によると、これに加えて、テレワークの普及で市内での滞在時間が長くなったことや、昨年4月に施行された東京都受動喫煙防止条例で飲食店や娯楽施設内でタバコが吸えなくなったことによって、道路端の植え込みや公共スペースでゴミやタバコの吸い殻のポイ捨てが増え、苦情や相談が寄せられる状況が続いているという。
環境省が2019年、ゴミのポイ捨てを全国調査した報告書によると、ポイ捨てを規制する条例などを制定している市町村は62%、東京都は79%に上った。うちほぼ半数が罰則規定を設けている。
環境政策課によると、多摩26市のうち23市がポイ捨てや歩行喫煙などを規制する条例を持ち、うち17市が罰則規定を設けている。小平市は流入人口の多い自治体と異なり、地域の環境美化に対する住民意識が高く、これまでゴミや吸い殻に関するマナーが比較的守られていたが、コロナ禍と受動喫煙防止条例によって状況が一変したという。
増えるポイ捨ての防止に向けて、小平市は①吸い殻をポイ捨てしない②屋外で飲食する際はゴミを持ち帰る③飼い犬のフンを放置しない―など、これまでマナーとして呼びかけていたことについて、行政や事業者のほか市民が果たすべき責任を定めた条例を作ってルール化する検討を始めた。
条例化に向けた考え方について、市のホームページで説明動画をアップ。11月22日から12月21日までパブリックコメント(意見公募)を経て、罰則規定を含む条文を検討し、来年の3月議会に条例案を上程したいとしている。
(片岡義博)
【関連情報】
・環境美化の推進に関する条例化について(小平市)
・COVID-19 Facemasks & Marine Plastic Pollution(OceansAsia)
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