まちづくりチャレンジ講座始まる 柳沢公民館で1月まで
西東京市柳沢公民館主催のまちづくりチャレンジ講座「みんなで考えよう! わたしたちの未来」が9月から始まった。来年1月10日まで全15回。食と農、防災、少子超高齢化、地産地消、多世代交流、健康・スポーツ、文化財など、西東京市の抱える課題を毎週日曜日の午前中、現場体験豊かな講師陣と市民がともに探る。公民館ならではの本格的な企画だ。
第1回「公民館ってどんなところ?」は13日開かれた。講師は中曽根聡さん。杉並区社会教育主事であり、西東京市在住で公民館運営審議会委員を務める。中曽根さんは保育園、学童クラブ、PTA役員など地域との関わりを語り、「公民館主催の講座で教育を考える立場と姿勢を学んだ」と自分の体験を語った。
中根さんはさらに、文部科学省のパンフレットなどを参照しながら、公民館が教育基本法や社会教育法に根拠を持ち、生涯学習の支援拠点であるとともに、生活レベルの学習を通して課題解決を促す地域の学習拠点になるなど、単なる集会施設とは異なる公民館の役割を指摘した。
第2回「持続可能な『食』と『農』について考える」は20日開催。市内で農業を営む保谷隆司さんが講師として登場し、「市内の農家が年ごとに減少し、収入も減っている」と農地と経営規模の縮小、多品目栽培の傾向について体験に基づきながら話した。農業従事者も高齢化し、年代別では70歳以上が最も多く29%、次いで60歳代が28%、50歳代が16%など。後継者は少なく、相続税の支払いで農地が分割、売却されるなど、課題の多い市内の農業と農家の現状を述べた。参加者の質問も相次いだ。
この催しは単発の企画ではない。2年前に東京都のモデル事業として実施した「ひとにやさしいまちをつくる チャレンジ講座」(全13回)が第一段階。昨年は受講者らを中心に「ステップアップ講座」(全14回)を開き、今回はこれら経験の上に企画された。
まず今年5~7月に5回の準備会を開き、まちの課題を語り合った。参加者がそれぞれ各回の「案内人」になって内容や講師陣を考えた。前回、前々回が平日開催だったのに対し、今回は日曜日に設定したこともあって、これまで参加出来なかった学生や教員ら各層の市民が出席し、さまざまな意見を出し合う場となった。
講師の話を聞くだけでなく、合間に参加者自身のミーティングが2回予定されている。公開講座も2回組み込まれ、話し合うテーマを多くの市民と共有する機会が設けられている。公開講座は、11月8日(日曜日)と12月13日(日曜日)。参加希望者はあらためて募集するという。
第1回の冒頭で、企画を担当する柳沢公民館の保谷しげ美さんは「公民館は多様な住民がつながり、学び、育ち合う場です。ともに学ぼうという気持ちを大切にしてください。答えはきっと、みなさんの中にあります」と述べていた。同種の企画とはひと味違う特徴なのかもしれない。
(北嶋孝)
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