新施設の4案を「提言」、「合築は無理」との付帯意見も 基本プラン策定懇談会

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2016年2月7日

 昨年7月から西東京市の中央図書館、田無公民館、市民会館の合築複合化計画を話し合ってきた「合築複合化基本プラン策定懇談会」(座長・伊村則子武蔵野大教授)は2月4日(金)、最終となる第9回会合を開き、各施設の機能を重点配分した4パターンを含む「提言」をまとめた。施設イメージを一本化せず、付帯意見に「現在の市民会館の敷地に現行の市民会館、中央図書館、田無公民館の3館を合築することには基本的に無理がある」との意見を追加するなど異例の内容となった。この日修正した字句を各委員が確認したあと、丸山浩一市長に提出する。

合築複合化の移転先とされている西東京市民会館。左側が公会堂(田無町四丁目)

新施設の合築先とされている西東京市民会館。左側が公会堂

 提言本文は12ページ。新施設に求められる役割(主要な機能)、基本要件(共通事項)、基本的な考え方、具体的な施設整備計画の4案に、付帯意見を追加した5部構成となっている。

 施設の主な役割では、3施設の「機能」に着目。学習・練習・創作などの「活動の場」としての機能、その活動の「支援」「発表」のほか、資料と情報を提供する「メディア」機能などを挙げ、さらに「市民交流」と「防災拠点」を加えて六つの要素にまとめた。

 施設整備計画では、各施設の機能配分を4パターンにまとめた。「中央図書館機能重視型」では図書館専有スペースを45%とし、現在の市民会館公会堂と同規模の「ホール維持型」では図書館が31%などとになっている。各案ごとに長所と期待、課題、対応策などを明記している。

 付帯意見は五つ。まず、現行の中央図書館が狭くて機能を発揮できない現状を指摘、「思い切った機能拡充を図るべきだ」と「中央図書館機能の充実」を求めている。「複合施設の運営」では、現行施設の所管部署が異なり、会議室の使用料も有料、無料が混在している現状を前提に、「具体的な組織体制や仕組みづくりを含めた運営について検討を深める」よう求めている。

 建設予定地とされる市民会館周辺の交通環境の改善と、こもれびホールの更新期も踏まえて1000人規模のホール建設を検討するよう求めている。

 最後に「合築複合化の前提条件」についてとの題で、「3館合築複合化は、基本理念としては理解できるものの、現在の市民会館の敷地に現行の市民会館、中央図書館、田無公民館の3館を合築することには基本的に無理があるとの意見がありました」との一文が追加された。

 3館の合計面積約7600㎡が、新施設では約5400㎡と70%強に縮小される。このため新施設が既存の施設機能削減に結びつく危惧もあり、関係団体の異論も当初から根強かった。しかもこの懇談会は「3施設を合築複合化するという西東京市の方針」を前提として、関係5団体の委員らが参加して進められた。このため初回から最終9回までほぼ毎回、合築に賛成できない、無理、反対などの意見が折に触れて出されていた。最後の付帯意見は、これらの反映、痕跡とも見られる。

 3館合築問題は昨春、庁舎統合方針案とほぼ同時期に明らかにされた。しかも庁舎統合方針案では、合築で移転予定の中央図書館・田無公民館の建物を改修して利用する内容が含まれていた。これらの事情もあって、市議会でも市民団体の間でも反対の意見が起きていた。
 市は提言を受けて今後、3館合築複合化問題の扱いを決めることになる。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・西東京市合築複合化基本プラン策定懇談会(西東京市Web

 

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