田無庁舎市民広場に5階建て仮設庁舎 11月に市民説明会を予定
西東京市議会の庁舎統合方針検討特別委員会(遠藤源太郎委員長)が8月18日に開かれ、市の庁舎統合方針案で取り壊す予定にしている保谷庁舎の主な機能を、田無庁舎の市民広場(中庭)に仮設庁舎(鉄骨5階建て)を建てて移転、再配置する方針が明らかにされた。9月議会を経て、11月に市民説明会を予定し、年内に統合方針を決めたい、としている。
当初は中央図書館・田無公民館を市民会館と合築複合化して移転し、その後に保谷庁舎の主な機能を移転する方針だった。しかし3館関係者らの懇談会が合築複合化案を一本化できなかったことなどから市は今年2月に方針転換を表明。3月に仮庁舎建設候補地として市民広場など4案を提示し、庁内の検討を重ねてきた。
今回示された検討比較対照表では、3月の委員会で指摘されたイングビル活用案を加えた5案を取り上げ、市民広場案が「広場消失の課題はあるが、その他の影響が少なく、実現可能性が高い」とした。整備コストは15.7億円としている。
企画部の説明によると、市民広場に仮設庁舎を建設する案は2019年度末に保谷庁舎機能を再配置し、2020年度から実働可能として、従来計画より1年前倒しできるなどの利点があるという。
企画部は市民広場建設案の影響に関して「広場の利用率は年間12%で、行政の利用がその6割を占める。市民への影響は限定的」と述べた。
しかし委員の多くは課題と懸念を指摘した。
「防災面の検討はどうなっているのか」(加藤涼子氏=生活者ネット)、「保育所の子どもたちが園庭として利用している。把握しているのか」(二木孝之氏=民主改革フォーラム)、「行政利用が6割と言っても、広場に集まるのは市民。利用申請していなくても、憩いの場として利用する市民が多い。利用率だけで判断できない」(山崎英昭氏=統一会派みらい)、「宅地建設などで民間には公開空間を提供するように要求しながら、市は自分たちで減らしている。おかしいのではないか」(森輝雄氏=無所属)など。
老朽化が指摘される保谷庁舎が取り壊されても、敷地内には防災センターや分庁舎が残り、市民サービスの機能も残すことが明らかになっている。近くにはエコプラザ、こもれびホールもある。大林光昭氏(公明党)は「二庁舎体制を維持するのに1億2000万円のコストがかかるので統合庁舎を、というのが市側の説明だった。いったいどれぐらいのコスト減になるのか」と質した。
これらの質疑を受けて、飯島享企画部長は「これまでの統合方針案の改訂版を作成する予定です。議会に情報提供し、11月には市民へ丁寧に説明したい」と述べた。
(北嶋孝)
【関連リンク】
・仮設庁舎整備案の検討比較表ほか(PDF、717K)
・庁舎統合方針(案)の概要(西東京市Web)