第4回 政治を身近に、市民の声を市政に

 


 田村広行さん(無所属)-共同企画「6人の新人議員たち」 


 

田村広行さん

 

原志保(パーソナリティー) 今日ご紹介するのは、西東京市議会、無所属の田村広行ひろゆき議員です。田村さんは1978年、西東京市生まれの40歳。田無第一中学校、中央大学杉並高等学校、中央大学法学部政治学科卒業。大学3年生の時に議員インターンシップを運営するNPO を立ち上げて、これまでに高校生や大学生約1800人の研修生を送り出しています。衆議院議員秘書、武蔵野大学職員、旅行会社社員を経験されてきた方です。

 

市議会議員の仕事を手伝って-なぜ市議会に?

 

 ではまず、田村さんが市議会議員になろうと思われたきっかけから教えていただけますか。

田村広行 私は今回、2回目のチャレンジで当選させていただきました。1回目が2014年です。こういう言い方はどうかとも思いますが、政治家に絶対なりたい、議員になりたいと思っていたわけでは必ずしもありません。じゃあ、なぜ立候補したんだということになるわけですが、政治を身近なものにしていきたい。それが一番やりたかったことです。
 いま紹介していただいた中で、議員インターンシップがありました。政治に関心を持つ人が少ない、余りにも減っているので、これは大学生、高校生を対象にしていますが、もっと多くの市民のみなさんに政治に興味を持ってもらえるような活動がしたい。西東京市議会を見ていて、市民に十分情報を伝えているのかどうか。議員の側からもっと発信できることがあるのではないか。そういう思いがあって、政治の中に入って、議会の中に入って発信していきたい。そういう思いで立候補しました。

 大学生のころから政治に興味、関心を持っていたのですか。

田村 振り返ってみると、中学か高校のころからだと思います。

 それはまた、どういう切っ掛けからですか。

田村 いま40歳です。中学のころは、細川内閣でした。自民党政権が崩壊して、政権交代が起きました。テレビや新聞で政治のニュースをよく見ていましたが、政治や政治家が身近な存在とはなかなか思えませんでした。その後、大学に入る直前に、西東京市ではなかったのですが、ある市議会議員を紹介してもらって、仕事を少し手伝いました。そこですごく身近に感じました。それが切っ掛けです。

 

多摩26市の市議選投票率でも最低-低い投票率

 

 市政や市議会についてお聞きします。今回の市議選の投票率が36.84%とこれまでの最低となりました。この結果をどうお考えですか。

田村 前回から4ポイント近く下がっています。西東京市でも過去最低ですが、多摩26市の直近の市議選投票率でも、今回の西東京市議選が最低なんです。お隣の練馬区と比べても低い。これは周辺の自治体と比べて極端に低い投票率だと捉えた方がいいと思います。

 

田村広行さん(左)とパーソナリティーの原志保さん(右)

 

 かなり深刻ですね。では行政への関心度を上げるためには、田村さんはどんなことが必要だと思いますか。

田村 難しいテーマですね。市の広報も発信していると思いますが、なかなか届いていない部分もあるのかなと思います。議員側の発信も、選挙の前になると駅前で演説し、ビラを配ります。4年間の任期の中で、議会で起こっていること、行政の課題などを伝えているのかというと、必ずしも十分ではない。私はこれから4年間、できるだけ情報が分かるように、興味のなかった方にも分かるように、発信していきたいと思います。

 

市民と一緒に計画段階から作る-ここは変えたい

 

 市政について評価できる点、改善すべき点、いろいろあると思います。一つ改善点を挙げるとしたら、何でしょうか。

田村 西東京市はいろんなサービスでも頑張っている部分は多いと思います。今の行政が、市民の皆さんの声をどれぐらい取り入れてきているのか。そこが大きなポイントです。パブリックコメントや市民参加の手続き、説明会などが設けられています。しかし、そういう手段で市民の皆さんが自分たちの意見を発信しても、それを十分受け取ってくれない、市の政策の中に入れてもらえないと思ってる方が多いのではないでしょうか。このあたりも、市は市民の皆さんと一緒に、計画段階から作っていくといいと思います。

 

議員の役割-情報公開は十分か

 

 市民のみなさんに、行政にもっと関心を持っていただくためにも、行政の情報を公開して、たくさんの方に広く伝えることが必要だと思いますが、田村さんは現在、情報公開は十分だと思いますか。

田村 何をもって情報公開なのかというところが問題でもあります。確かにさまざまな行政文書がホームページに載っていますので、それを見てくださいということはできますが、その内容を十分に吟味する、調べて理解するのはなかなか難しい。ですのでもう少し、その情報内容を噛み砕いて、咀嚼していく存在が必要なのではないでしょうか。

 ということは、情報公開を進めるにはどんなことをしていけばいいと思いますか。

田村 一方的な情報公開ではなくて、市民の皆さんと対話していくことだと思います。あるいは生データだけを見てもわからないので、そこは議員の役割でもあると思います。今起こってることを、議員が市民の皆さんに、より分かりやすい形で伝えていく。その仲介を議員がやっていくべきだと思います。

 

ネットワークの活用-空き家対策

 

 では前半最後の質問になります。西東京市には空き家が約670件あると言われています。田村さん、対策はお考えでしょうか。

田村 この問題は私も調べました。西東京市の空き家は670件ですが、 周辺と比べて極端に多い数字ではありません。西東京市はいま空き家条例を用意して、特定空き家、ちょっと危ないものについては勧告したり命令を出したり、最終的には代執行という形もあります。ただそうなる前に、そんな空き家を増やさない、減らしていく。実際に管理している方々も悩んでいると思います。いま行政書士会などと連携して相談窓口を作っています。そういうネットワークを活用して、空き家を増やさない。そんな取り組みが大切だと思います。

 

浜崎あゆみ『independent』-リクエスト曲

 

 ではここで田村さんから頂いたリクエスト曲をお届けします。田村さん、どんな曲を選んだんでしょうか。

田村 浜崎あゆみの『independent』という曲です。

 田村さんは、あゆが好きなんですか。

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田村 そうですね。まあ、そうですね。あまり音楽を聞かないんですけれども、その中で比較的聞くのが浜崎あゆみの音楽です。

 気になるところは…。繋がるところと言うか、自分と照らし合わせたりするところはあるんですか。

田村 私は彼女と同じ年齢なんです。40歳。境遇も似ていて、私は母子家庭なんですけど、浜崎さんも母子家庭で育っています。それでなんとなく聞くようになりました。私はほとんど CD を買いませんが、あゆの CD は何枚か持っています。

 エーッ、そうなんですか。田村さんはスーツでビシッと決めているので、あゆの曲のリクエストが来たのが少し驚きでした。じゃあ、久しぶりに聞きますか。

田村 いえ、いつも車の中で流れています。

 そうですよね。分かりました。それではお届けしましょう。浜崎あゆみ『independent』。
(曲が流れる)

 

旅行、日帰り温泉巡り、ラーメン-趣味や休日の過ごし方

 

 後半はプライベートなことをお聞きしていきたいのですが、田村さんのプロフィールを見ると、旅行がお好きなんですか。

田村 昔から、学生時代からですね。

 旅行会社の社員だったと経歴にあります。それも旅行好きに関係があるんですか。

田村 いえ、それはどちらかと言うと後ですね。旅行が好きになったのは、高校の終わりぐらいからでしょうか。「青春18きっぷ」とか…。

 ありましたね。電車に揺られて遠くへ行く、というあれですね(笑)。

田村 今乗るともう、お尻も腰も痛くなりますよ(笑)。

 特に好きな場所や、よく行く所はありますか。

田村 実は日本全国全部行ってるんです。

 えっ、そうなんですか。47都道府県全部行ってるんですか。

田村 ええ。その中では北海道に最も多く行ってます。おそらく20回ぐらいは行ってると思います。

 「青春18きっぷ」で北海道へ行ったんですか。

田村 「18きっぷ」で北海道にチャレンジしたことはないです。寝台特急で行きました。今はない「北斗星」です。一晩かかりますね。夜乗って、朝着きます。

 どうして北海道にはまったんですか。

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田村 一番最初に行ったのは家族旅行だったか高校の修学旅行だったか…。よく覚えていませんが、冬の北海道が好きなんです。スキーをするわけではありません。寒い時に寒い所に行く。その時期にしか見られないものがあるんじゃないかと思います。東京の生まれ育ちなので、北海道はスケールが違うという気がします。

 冬に行って、感動したこと出来事はありますか。

田村 1回しか見たことがありませんが、流氷ですね。網走で見ました。

 天気が良くて流氷も見られたんですね。ガリガリという音がしますね。すごい音が。

田村 そうですね。その時は晴れてはいませんでしたが、めちゃくちゃ寒かった。

 しばれるという感じですか。

田村 そう、しばれるですね。

 あと趣味のところに「日帰り温泉巡り」と書いてますね。

田村 本当に日帰り、西東京周辺の温泉です。だいたい車で30分圏内がいいですね

 冬の寒い時に車で行って温泉に入ると体が温まります。新陳代謝が良くなりますね。あとラーメンもお好きだと聞きましたけど。

田村 食べ歩きするわけではありませんが、食べてる時は 他のことを忘れるじゃないですか。
 何ラーメンがお好きですか。

田村 私はがっつりした家系ラーメンとか 濃いラーメンが好きです。 こってり系ですね。 40歳にしてまだ行けるかな、という感じです(笑)。

 

小金井公園に「穴場」-西東京市自慢

 

 西東京市の好きなところ 自慢できるところを教えていただけますか。

田村 みなさんもよく指摘していますが、都心からある程度の距離ですね。遠すぎず近すぎず。それに 農地も含めて緑に比較的 恵まれています。 私は西武新宿線を使って都心へ行きますが、それほど混まずに帰れます。 恵まれた環境だと思います。

 好きな場所の名前を挙げるとしたらどこでしょう。

田村 自宅が小金井公園の近くなんです。小金井公園というと小金井市と思っている人がいるかもしれませんが、実は西東京市も小金井公園の一部 です。そこにはちょっと穴場的な桜の木があったりします。まったりできるところですね。

  お花見シーズンが楽しみですね.。
田村 そうですね。もうそろそろ花の便りも聞こえてくると思います。

 

市民の声を受け止めて発言する-実現したいこと

 

 この1年で実現させたいことを教えていただけますか。

 

 

田村 新人で無所属。しがらみのない立場です。議会に入って、知らないこと、驚くことがあります。自分が見たことを、できる限りストレートに、市民のみなさまにも知っていただけるように情報発信したい。ホームページや駅頭での街頭演説、ビラで、いま議会はこうなっているということをお伝えしたい。少しでも多くの方々に、政治に興味を持っていただけるように活動したいと思います。

 そろそろ時間が近づいてきました。市議会議員としての決意をお聞かせください。

田村 決意というほど大それたことではありませんが、みなさんに政治に興味を持っていただきたいと思っています。それと同時に、政治は遠い存在ではないので、例えば身近なところで気付いたことやこうなったらいいなと思うことを、どんどん言っていただきたい。そういう市民の声を受け止めて動いていく、そういう市民の代わりに議会で発言する。役所にも言う。そういうことが議員の役割だと思うので、市民のみなさんに使っていただけるような議員を目指して活動したいと思います。

 

ひばりタイムスからもう一問

-田村さんは無所属で出馬、当選しました。議会でも会派に入らず、無所属で活動しています。全国政党、地域政党、会派などの選択肢があるなかで、自治体議員のあり方をどうお考えですか。

田村 地方議会は国会とは違い、与党・野党は存在しません。市長に対して、良いものは良い、悪いものは悪いと、独立した立場からチェックし、提案していくことが必要だと思います。ですから、地方議会に政党は必要ないというのが私の考えです。ただし、それは独りよがりでいいということではなくて、議員同士意見交換したり、勉強会をしたり、政党や会派という形ではありませんが、緩やかなネットワークは必要だと思います。

 

◇インタビューを終えて
 緊張しましたが、自分自身の思いを再確認するいい機会にもなりました。今回初当選した6名は、全員が30代から40代と年代が近く、それぞれに経験を積んできた頼もしい仲間です。実は先日、新人議員だけで懇談する場を設けました。当然政策的には異なる部分もあるわけですが、お互いに話をすると共感できる部分も多くありました。政党が違うから、会派が違うからということではなく、お互いに切磋琢磨していける関係が持てればいいなと思っています。(田村広行)

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【関連リンク】
・田村ひろゆき(HP

 

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