第40回 「おひとりさま」の老後:入院・手術を受ける時

 

2.おひとりさまの備え

 

 「ヨタヨタ・ドタリ期」の備えを考えるにあたって、著者は、全くの「おひとりさま」である。一人っ子で生まれ、独身で、両親はすでに他界したため、親・兄弟・子供といった身近な親族は皆無だ。東京大学名誉教授上野千鶴子さんは、「おひとりさま」についてたくさんの著作を書かれている。「おひとりさま」と聞くと、世間が「お可哀そうに」と偏見の目で見ることに対抗し、「おひとりさま」がどんなに良い暮らしであるかを軽妙なタッチで描いてきた。

 私自身、ずっと一人で暮らしてきたため、「寂しい」とか「不自由」であるとか思ったことはない。少なからず気兼ねしながら誰かと暮らすことは、とてもできそうにない。しかしながら、おひとりさまの「ヨタヨタ・ドタリ」期を考えると、備えなければならないことが山ほどありそうだ。今回は、まず、入院・手術を受ける時を取り上げてみた。
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【目次】
1.ヨタヨタ・ドタリ期への備え
2.おひとりさまの備え
3.入院するときに求められる身元保証人
4.病院にとってのリスク
5.身元保証等高齢者サポートサービス
6.介護保険制度と成年後見人制度の利用
7.増加が見込まれる「おひとりさま」
8.身じまいの作法の必要性

 

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