今年2月の西東京市長選挙で、当選した池澤隆史市長側発行の法定ビラ2号が、相手候補の前逗子市長平井竜一氏に関して「虚偽の事実を公にし、または事実を歪めて公表した」など公職選挙法第235条2項(虚偽事項の公表罪)にあたるとして、西東京市民ら12人が6月23日、ビラの発行団体代表、市長らを東京地方検察庁に告発した。(写真は、記者会見で話す告発人代表の山口あずささん(左から2人目)その左が矢澤弁護士、右が森輝雄市議=衆議院第二議員会館)

 西東京市議会第2回定例会が5月28日に始まった。冒頭、施政方針を述べる前に池澤隆史市長が発言を求め、2月の市長選挙終盤に発行された自陣営のビラに関して「これまでいただいた市民からのご意見を重く受けとめ、平井竜一候補者をはじめ、支援されたみなさま、不快に思われた市民のみなさまに、心よりお詫びを申し上げます」と謝罪した。(写真は、「申し訳ございませんでした」と頭を下げる池澤市長)

 西東京市議会の11人の議員団が5月14日、会派を超えてオンラインによる合同議会報告会を開くことになった。2月の市長選挙で僅差で次点となった前逗子市長の平井竜一氏を支援した議員らが企画。3月議会の報告とともに、新市長、コロナ対策、予算の3テーマで市民との意見交換に臨むという。(写真は、西東京市議会第1回定例会。2021年3月8日)

 西東京市選挙管理委員会は3月30日、2月7日に行われた市長選挙の無効を求める異議申し立てを審理した結果、「選挙地域内の選挙人全般がその自由な判断による投票を妨げられるような特段の事態が生じたとは認められない」なとどして申し立てを棄却した。申出人総代の山口あずささんは、「(確認団体の)法定ビラが事実を歪めている点を判断していない。ほかの申出人の方々と話し合って今後の対応を決めたいが、決定内容はまったく納得できない」と話している。(写真は、選挙管理委員会の決定書)

 2月に行われた西東京市長選挙で、当選した池澤隆史市長陣営が発行した法定ビラ2号が相手候補を貶める内容ではないかと批判の声があがり、3月1日と2日に開かれた市議会臨時会ではほぼ、この問題に質疑が集中した。池澤市長は「原案レベルの原稿を事前に見た」と内容をほぼ把握していたことを認めた上で、ビラの配布も「確認団体の判断で、と話した」と事実上のゴーサインともとれる答弁を繰り返した。「(ビラを見て)傷付いたり不快に思ったりした市民や(ビラの対象となった)平井氏にお詫びする」と述べたうえで「責任はある」とも認めた。

 西東京市長選挙の最終盤に発行された法定ビラをめぐり、内容に疑問を感じた市民が2月26日、田無庁舎を訪れ、秘書広報課を通じて、池澤隆史市長宛の公開質問状を提出した。3月5日まで書面での回答を求めている。

 2月7日に行われた西東京市長選挙に関して、選挙無効の異議申し立てが2月22日、西東京市選挙管理委員会に提出、受理された。申し立てた選挙人は60人。そのうちの一人で申し立てを呼び掛けた山口あずささんらが23日の会見でその理由や内容を明らかにした。(写真は、記者会見で話す山口さん。左から2人目)

 西東京市長選挙は2月7日に投票が行われた。即日開票の結果、立候補した無所属新人3人のうち、前副市長の池沢隆史氏(61)(自民・公明推薦)が3万4299票を獲得し、3万2785票の前逗子市長、平井竜一氏(54)(立憲・共産・生活者ネット推薦)との接戦を制して初当選した。票差は1514票だった。大手スーパー勤務の保谷美智夫氏(62)(無)は3256票。投票率は42.23%となって前回より9.33ポイント高くなった。(写真は、万歳する池沢隆史氏、右から3人目)

 任期満了に伴う西東京市長選挙が1月31日に告示され、前逗子市長の平井竜一氏(54)=無所属新、立憲民主・共産・生活者ネット推薦=、小売チェーン運営会社勤務の保谷美智夫氏(62)=無所属新=、前西東京市副市長の池沢隆史たかし氏(61)=無所属新、自民・公明推薦=の3人が届け出た(午後5時確定。届け出順)。2月7日投開票に向けて選挙戦がスタートした。1月30日現在の選挙人名簿登録者数は17万1771人。前回投票率32.90%、市長選の過去最低だった。

 任期満了に伴う来年2月の西東京市長選挙に、神奈川県逗子市で3期市長だった平井竜一氏(54)が11月26日、立候補を表明した。市内のコール田無で開かれた記者会見で「市民との対話を重ね、市民、行政、事業者らが力を合わせれば西東京市はもっとよいまちになる。市政を変えたいと願う市議らの熱い思いを受け、しがらみのない私だから出来ることがあると考えて立候補を決めた」と述べた。(写真は、記者会見で決意を語る平井竜一氏)