2021年2月の西東京市長選挙で公職選挙法違反とされたビラが撒かれた件で、東京地検立川支部は告発されていた政治団体代表らを不起訴とした。告発人のもとに届いた12月6日付けの「処分通知書」で明らかになった。

 昨年2月の西東京市長選挙で撒かれたビラなどの問題点を訴えてきた「西東京市長選挙・異議申し立ての会」が、絵本の出版を通じて民主主義のあり方を問い掛けたいと昨年11月にクラウドファンディングを始めた。1月3日午後3時過ぎに101万8000円となり、目標の100万円を超えた。今後はこの資金を元に絵本の出版に動き出す。(写真は、クラウドファンディングの画面。3日午後3時10分)

 今年2月に行われた西東京市長選挙の無効と東京都選挙管理委員会の裁決取り消しを求めた裁判で、原告の西東京市民ら39人は11月19日、東京高等裁判所の棄却判決を不服として、高裁判決の棄却と裁判のやり直しを求めて最高裁判所に上告の手続きをとった。上告・上告受理申立の理由は「追って提出する」としている。(写真は、東京高等裁判所などがある合同庁舎。東京・霞が関)

 今年2月に実施された西東京市長選挙の無効と東京都選挙管理委員会の裁決取り消しを求めた裁判で、東京高等裁判所(鹿子木康裁判長)は11月11日、配布された法定ビラは特定候補を想起できるけれども、「選挙人全般が自由な判断による投票が妨げられるような特段の事態が生じたとは認められない」として、原告の西東京市民39人の請求を棄却した。原告側は記者会見で最高裁へ上告する方針を明らかにした。(写真は、東京高裁などの合同庁舎)

 今年2月に行われた西東京市長選挙で、市内に配布された法定ビラが対立候補に関する事実を歪め虚偽を公にし、選挙人の自由な判断による投票を妨げ選挙の自由公正が失われたとして、西東京市民39人が8月13日、東京都選挙管理委員会(澤野正明委員長)の申し立て棄却裁決の取り消しによる市長選の無効を求め、東京高等裁判所に訴えを起こした。「怪文書」とも言われた法定ビラ問題が選挙からほぼ半年後、法廷の場で審理されることになった。(写真は、会見で訴訟の内容を説明する原告の市民と弁護士)

 今年2月の西東京市長選挙で、当選した池澤隆史市長側発行の法定ビラ2号が、相手候補の前逗子市長平井竜一氏に関して「虚偽の事実を公にし、または事実を歪めて公表した」など公職選挙法第235条2項(虚偽事項の公表罪)にあたるとして、西東京市民ら12人が6月23日、ビラの発行団体代表、市長らを東京地方検察庁に告発した。(写真は、記者会見で話す告発人代表の山口あずささん(左から2人目)その左が矢澤弁護士、右が森輝雄市議=衆議院第二議員会館)

 西東京市選挙管理委員会は3月30日、2月7日に行われた市長選挙の無効を求める異議申し立てを審理した結果、「選挙地域内の選挙人全般がその自由な判断による投票を妨げられるような特段の事態が生じたとは認められない」なとどして申し立てを棄却した。申出人総代の山口あずささんは、「(確認団体の)法定ビラが事実を歪めている点を判断していない。ほかの申出人の方々と話し合って今後の対応を決めたいが、決定内容はまったく納得できない」と話している。(写真は、選挙管理委員会の決定書)

 2月に行われた西東京市長選挙で、当選した池澤隆史市長陣営が発行した法定ビラ2号が相手候補を貶める内容ではないかと批判の声があがり、3月1日と2日に開かれた市議会臨時会ではほぼ、この問題に質疑が集中した。池澤市長は「原案レベルの原稿を事前に見た」と内容をほぼ把握していたことを認めた上で、ビラの配布も「確認団体の判断で、と話した」と事実上のゴーサインともとれる答弁を繰り返した。「(ビラを見て)傷付いたり不快に思ったりした市民や(ビラの対象となった)平井氏にお詫びする」と述べたうえで「責任はある」とも認めた。

 西東京市長選挙の最終盤に発行された法定ビラをめぐり、内容に疑問を感じた市民が2月26日、田無庁舎を訪れ、秘書広報課を通じて、池澤隆史市長宛の公開質問状を提出した。3月5日まで書面での回答を求めている。

 2月7日に行われた西東京市長選挙に関して、選挙無効の異議申し立てが2月22日、西東京市選挙管理委員会に提出、受理された。申し立てた選挙人は60人。そのうちの一人で申し立てを呼び掛けた山口あずささんらが23日の会見でその理由や内容を明らかにした。(写真は、記者会見で話す山口さん。左から2人目)

 西東京市長選挙の終盤に、池澤隆史新市長の陣営が配布した法定ビラをめぐって、対立候補だった前逗子市長の平井竜一氏を支援する市議らが2月19日、「ネガティブキャンペーンは許せない」としてインターネット上で抗議の署名活動を始めた。

 西東京市長選挙の当選証書付与式が2月9日、田無庁舎3階会議室で行われた。選挙管理委員会の曽根原良仁委員長から池澤隆史氏に「西東京市長に当選したことを証明する」当選証書が手渡された。曽根原委員長は「これからの西東京市のため、市民の付託に応え、尽力していただきたい」と言葉をかけた。(写真は、曽根原良仁委員長(左)から当選証書を受け取る池澤隆史氏)(田無庁舎3階会議室)

 西東京市長選挙は2月7日に投票が行われた。即日開票の結果、立候補した無所属新人3人のうち、前副市長の池沢隆史氏(61)(自民・公明推薦)が3万4299票を獲得し、3万2785票の前逗子市長、平井竜一氏(54)(立憲・共産・生活者ネット推薦)との接戦を制して初当選した。票差は1514票だった。大手スーパー勤務の保谷美智夫氏(62)(無)は3256票。投票率は42.23%となって前回より9.33ポイント高くなった。(写真は、万歳する池沢隆史氏、右から3人目)

 西東京市長選挙は2月7日の投票を控え、3候補の運動に力が入っている。市の今とこれからをそれぞれがどう捉え、どんな市政を実現しようとしているのか。選挙公報をはじめ、誰でもアクセス出来る映像やアンケート回答などがネット上に揃っている。特に候補者の語り口が直に伝わる市民サークル制作のライブ映像が評判になっている。

 任期満了に伴う西東京市長選挙が1月31日に告示され、前逗子市長の平井竜一氏(54)=無所属新、立憲民主・共産・生活者ネット推薦=、小売チェーン運営会社勤務の保谷美智夫氏(62)=無所属新=、前西東京市副市長の池沢隆史たかし氏(61)=無所属新、自民・公明推薦=の3人が届け出た(午後5時確定。届け出順)。2月7日投開票に向けて選挙戦がスタートした。1月30日現在の選挙人名簿登録者数は17万1771人。前回投票率32.90%、市長選の過去最低だった。