私たちが暮らす地域は戦後、どのような道をたどって現在に至っているのだろうか。連載企画「北多摩戦後クロニクル」は、北多摩北部(東村山・清瀬・東久留米・西東京・小平の5市)を中心とする地域の戦後の歩みをトピックごとにたどることで、地元を見つめ直し、東京郊外が映す戦後日本を点描する(毎週火曜掲載)。第1回は北多摩地域が第2次大戦時に経験した空襲を取り上げて戦後への導線としたい。(写真は、焼夷弾で消失した農家。1945年5月24日、現西東京市芝久保町。西東京市図書館所蔵)

 戦争体験に触れて平和の尊さを伝える「第18回平和市民のつどい」(東大和市主催)が8月20日、都立東大和南公園にある旧日立航空機株式会社変電所(戦災変電所)前で開かれた。コロナ禍のためで過去2回はYouTube配信で実施され、本格開催は3年ぶり。戦時下の空襲による傷跡を生々しく残した変電所前で平和を祈るキャンドルが灯った。

 東大和市の旧日立航空機株式会社変電所(戦災変電所)で4月8日、建物内部が一般公開された。昭和20年(1945年)、3度の空襲で工場は壊滅。変電所は奇跡的に残った。建物壁面は月面クレーターのように無数の弾痕で穿たれ、すさまじい空襲の様子を伝えている。空襲の跡が鮮明に残るのは全国でも珍しいことから、「西の原爆ドーム 東の変電所」として注目を集めている。(写真は、弾痕が残る建物の外壁)