コロナ禍が続くなか、西東京市の中学校に、地域の大人たちがちょっと風変わりな企画を持ち込みました。大人の悩みに、生徒たちが回答するという内容です。ユニークな提案が、学校にどんな展開をもたらしたのか-。「西東京こども放課後カフェ」代表、古林美香さんの報告です。(編集部)(写真は、「こんなにたくさんの回答がありました。本当は全部紹介したい!」)

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ブックカフェで飲み物と読書を楽しむ生徒たち(青嵐ブックカフェ提供)

 西東京市の放課後カフェは、中学生の放課後の居場所づくりを目的とし2015年から始まった。地域の大人が中心となり市内公立中学校の校内で開催。いまでは市立中学全9校中7校でカフェが開かれている。生徒は無料で提供される紅茶やコーヒーを飲みながら、ゲームで遊んだり、おしゃべりしたりして自由に過ごす。こうしてカフェは、生徒同士だけでなく、生徒と大人も緩く交わる場になってきた。

放課後カフェ、オープン!

 「いらっしゃいませ。こちらの席にどうぞ」「コーヒーをお願いします」「お砂糖、ミルクはどうしますか?」-。冷たい風が吹く1月29日の午後、西東京市田無第四中学校の調理室でこんな会話が交わされた。紅茶、ミルクティー、緑茶などを提供するのは地域の大人。お客様は中学生。そう。この3年間で市内の中学校に相次いで誕生している「放課後カフェ」の一コマだ。

講演会のチラシ

 「中学校にカフェを作ろう!」。こんなスローガンを掲げた講演会が10月27日、田無駅南口の正育堂2階ホールで開かれた。主催した市民グループ「西東京こども放課後カフェ」が活動の周知を目的として講演会を開催するのは昨年7月に続いて2回目。「NPO法人ハンズオン!埼玉」理事、西川正さんの講演と「放課後カフェ」の事例発表に、参加した約50人が熱心に耳を傾けた。

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 西東京子ども放課後カフェ講演会「中学校にカフェをつくろう!」が7月9日、田無公民館で開かれました。高校の居場所カフェ運営や青少年のキャリアづくりを支援してきた石井正宏さん(NPO法人パノラマ理事長)の講演のほか、市内の青嵐中、ひばりが丘中、田無一中、お隣小金井市の緑中の事例が発表され、100人を超える参加者が交流しました。この集まりは西東京市公民館市民企画事業。参加した丸山修さんの報告をご覧ください。(編集部)