100winds_banner01 第34回

師岡武男 (評論家)
 

 物価高の大きな原因として円安があるが、関連して円安は日本経済の国際競争力の低下のためだと言う議論があって、問題を複雑にしている。それらの基本的問題点を考えてみる。

100winds_banner01 第30回

師岡武男(評論家)

 

基本的な仕組み

1:経済とはモノ(財・サービスの実物)を生産して利用する活動であり、人類発生以来の営みである。 2:モノの生産にも利用にもカネ(貨幣)が必要であり、金融経済の制度の役割は大きい。 3:カネは国(政府、日銀)が発行して供給(貸付と給付)する法定貨幣が基本となる。 4:カネは必要なだけ供給できるが、モノには供給力の限度がある。 5:豊かで安心・安全な福祉経済実現のために、これらの基本的仕組みを有効に活用して供給・需要の量的・質的な向上(成長)を図ることが必要。当然ながら完全雇用。

豊富なデータに基づきながら経済と暮らしを語る山家悠紀夫さん(柳沢公民館)

経済と暮らしを語る山家悠紀夫さん(柳沢公民館)

 ひばりタイムス主催の講演会「暮らしやすい政策を求めて」が7月3日(日)午後、西東京市の柳沢公民館で開かれた。講師は元神戸大大学院教授の山家悠紀夫さん(「暮らしと経済研究室」主宰)。多角的なデータで景気は2年以上足踏みしているなど日本経済の現状を指摘。雇用環境の改善や社会保障制度の充実など「暮らしをよくすることを第一に考えると、日本経済全体もよくなる」と述べた。講演の後に質疑を受けて1時間余り、進めるべき政策をめぐって出席者との間で意見が交わされた。