2002年7月、早稲田大学ラグビー蹴球部が西東京市から杉並区上井草に移転、74年間にわたる「東伏見」での歴史に幕を閉じた。同ラグビー部は1918(大正7)年創設、幾多の名選手を生み、大学日本一16回、社会人を含めた日本選手権でも4回優勝するなど大学ラグビー・ナンバーワンの戦績を誇る。ラグビーのほかにもサッカー、野球、馬術などさまざまな施設を持っていた早大東伏見キャンパスは今も学生スポーツの聖地として活気を維持し、周辺の住民にとっても憩いと交流の場になっている。

 早稲田大学の卒業生の親睦組織、西東京稲門会がボランティアで取り組んでいる小中学生向けの無料の学習塾はユニークだ。経済的な理由などで、学習塾に通ったり家庭教師を頼んだりしていない公立学校に通う小学5年生から中学3年生の子どもたちに会社員やリタイアした人、主婦、大学教授経験者などが無報酬で授業を行っている。進学塾ではないので受験対策ではなく、学校の授業の補習が主な目的で、学習の遅れを補い、家庭学習、自ら問題解決する力を育成している。週に2科目受講でき、教師1人に生徒2人。対話しながら90分の授業を進める。学校の授業とはひと味違う、丁寧でゆったりした手づくりの学びの場である。

20年記念誌

設立20年記念誌の表紙(クリックで拡大)

 早稲田大学卒業生らでつくる「西東京稲門会」は、西東京市の誕生とともに旧田無、保谷の両稲門会が合併、スタートしました。その歩みをたどる「設立20周年記念誌」がこのほど完成。詳細な年表、「稲門寺子屋西東京」などの地域貢献活動、多芸多才な会員のエッセイなどを盛り込んだ内容を編集委員の野口みどりさんが報告します。(編集部)(写真は、発送作業に取り組むボランティア会員たち)

早稲田大東伏見キャンパスの安部磯雄像(右)と飛田穂洲像=西東京市東伏見

 普段何気なく通り過ぎてしまう街中の銅像。しかし、なぜそこに、この像が、と考えていくと、新たな発見があったり、地域の歴史が見えたりすることもある。西東京市とその周辺で銅像を探し、その背景を探った。