1962(昭和37)年12月、「東久留米団地」(2280戸、現在「グリーンヒルズ東久留米」)の入居が始まった。50年代末から西武線沿線には次々に団地が建設されていた。当時の久留米町にとっては、59年に入居を開始した「ひばりが丘団地」に続いて2番目となる日本住宅公団(現都市再生機構)による団地の建設となった。この建設地には、戦前から戦後にわたる日米の軍事施設をめぐる歴史が刻まれていることはあまり知られていない。

「ひばりが丘団地」「滝山団地」と団地巡りのようになってきたが、続けて「東久留米団地」(現在「グリーンヒルズ東久留米」)も「訪ねる」ことにする。この団地周辺は、少し前に日帰り温泉施設ができたりして、かなり様相が変わったが、ここにも固有の歴史がある。この団地が誕生した時の模様を描いた小説を紹介することから始めたい。