「関東の富士見百景」にも選ばれた西武池袋線東久留米駅西口の「富士見テラス」が、補修工事費用が多額になるなどの理由で除却(取り壊し)されることになった。東久留米市の富田竜馬市長が、同市議会第3回定例会で「駅西口昇降施設における富士見テラス部の除却」方針を報告。関連工事費990万円を計上した補正予算(第8号)が9月28日に全会一致で可決、成立して本決まりとなった。(写真は、取り壊しが決まった富士見テラス=2022年10月3日撮影)

 西武池袋線東久留米駅西口のローターリーに、漫画家の手塚治虫さんが描いた作品「ブラック・ジャック」の主人公ブラックジャックと助手・パートナーのピノコの像が完成し、3月10日午後、現地で除幕式が開かれた。ブラックジャックが銅像になったのは初めてという。

杉山尚次(編集者)

 前回「鉄道忌避説」について書いたら、つい最近1月7日の東京新聞が、《JR目黒駅が目黒区ではなく品川区にあるのは、地元農民の反対によって位置がズレたため》という説があることを最終面でほぼ1ページ使い、イラスト風の古地図まで入れて記事にしていた。「真相は謎のまま」とは述べているものの、「忌避説」定番の「煙害」や「古老の話」がもっともらしく紹介されている。伝説がウイルスのように伝播していく見本のような記事だといえなくもない。伝説は知らないうちに感染うつってしまうのだ。

 現在の西武池袋線の前身となる武蔵野鉄道が開通したのは1915(大正4)年4月15日。池袋~飯能間を小型の蒸気機関車が走った。途中の駅は練馬、石神井(現・石神井公園)、保谷、東久留米などで、東久留米駅は畑と雑木林に囲まれた地に造られたという。

 年末の夕日を写真に収めたいと、東久留米駅2階の富士見テラスに通った。国土交通省の「関東の富士見百景」に選ばれるほどの絶景ポイント。なのに思いと天気は噛み合わない。雨や曇りの日が多かった。たまに晴れても、富士山頂の落日を撮るのに雲が邪魔。その雲に沈む直前の1枚をとりあえず-。

 元旦の東京地方は、雲一つなく晴れ上がった。午後1時20分過ぎ。風もなく、穏やかな正月休み。西武池袋線東久留米駅の富士見テラスに立つと、抜けるような青空の下、富士山の優美な稜線が、望遠レンズの向こうにくっきり浮かび上がった。

富士見テラスから夕日を眺める(2016年1月1日午後4時29分ごろ。撮影は筆者) 禁無断転載

2016年1月1日午後4時29分ごろ。筆者撮影。禁無断転載

 穏やかな晴天に恵まれた元日の夕刻、西武池袋線東久留米駅西口2階の富士見テラスには、富士山に落ちる夕日を眺めようと大勢の人たちが詰めかけた。