『武蔵野鉄道が通る!-保谷周辺を中心に-』(クリックで拡大)

 西武池袋線に関心のある人には見逃せない一冊『武蔵野鉄道が通る! -保谷周辺を中心に-』が7月1日に発行されました。西武鉄道の前身「武蔵野鉄道」を創成期から概観し、写真やイラスト、表など貴重な資料を盛り込み、さらに所沢~池袋間の各駅を手分けして調査。駅の変貌と地元の思いを掘り起こしたA4版、44ページ。著者は「下保谷の自然と文化を記録する会」の萩原恵子さんと松田宗男さん。共著者の一人、松田さんの報告です。(編集部)

『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(2)京王・西武・東武』

杉山尚次(編集者)

 前回、井の頭線には昭和20年代、吉祥寺から北へ、田無を経由して東久留米に至るという幻の延長計画があった、という話を書いた。それはどういう経路だったのか ?  仮説を述べてみたい。推理の材料となった本を挙げておこう。

 現在の西武池袋線の前身となる武蔵野鉄道が開通したのは1915(大正4)年4月15日。池袋~飯能間を小型の蒸気機関車が走った。途中の駅は練馬、石神井(現・石神井公園)、保谷、東久留米などで、東久留米駅は畑と雑木林に囲まれた地に造られたという。