釈迦の誕生を祝う「花まつり」 田無山總持寺で法要
西東京市内にある田無山總持寺は4月8日、釈迦の誕生を祝う「花まつり」を開いた。寺の本堂では法要が営まれ、僧侶がお経を唱える中、檀家で寺の役員を務める参拝者らは小さな釈迦の像に甘茶をかけて手を合わせた。
総持寺によると、前身の法界山西光寺が江戸初期に谷戸に創建され、その後現在の地(田無町3丁目)に移転された。明治8年、近隣の観音寺と密藏院の2つの寺を吸収合併し田無山總持寺と改名した。
花まつりは、約3000年前の4月8日、花いっぱいの花園で生まれたとされる釈迦の誕生日を祝う日。同寺では昭和初めから毎年開かれている。
8日当日、本堂では、鈴や鐘の音に合わせ仏の教えを解く御詠歌が唱えられた後、住職、僧侶合わせて13人が経を読んだ。600巻に及ぶ大般若経をアコーディオンのように開閉し、分担して転読すると、参拝者が順に焼香して高さ約15㎝の釈迦像に甘茶をかけた。釈迦が生まれたときに甘い雨が降ったという言い伝えにちなんでいる。
本堂前には、釈迦を祭った小さなお堂「花御堂」や釈迦の誕生に由来する「白象」が設置され、自家製の「甘茶」が振舞われた。
同寺住職の小峰立丸さんは、「天上天下唯我独尊。お釈迦さまは、ひとり一人の命は尊く、互いの命、多くの人とのご縁が大切だ、と教えています。花まつりを祝うことでお釈迦様の教えを改めて考えてほしい」と話していた。
(柿本珠枝)(写真は筆者提供)
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・田無山総持寺(西東京市Web)
【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。
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