18歳以下の子育て全世帯に生活支援金、1人当たり1万5000円　乳幼児にコロナワクチン接種　西東京市議会で補正予算案可決

投稿者: 北嶋孝カテゴリー: 市政・選挙、暮らしオン 2022年11月5日

　西東京市議会の第5回臨時会が11月4日に開かれ、約6億1300万円を追加する一般会計補正予算案（第10号）を全会一致で可決した。18歳以下の子どもを育てる市内の全世帯に子ども1人当たり1万5000円を支給、乳幼児へのコロナワクチン接種、エアコンなど業務用空調機器更新の経費補助－の3事業が本決まりとなった。（写真は、補正予算案の提案理由を説明する池澤隆史市長）

【子育て世帯生活支援特別給付金】

　予算特別委員会の市側説明によると、子育て世帯特別給付金の対象となる18歳以下の子ども（障がい児は20歳未満）は約3万4000人。このうち児童手当や特別児童扶養手当を受けてきた子ども約2万3000人の世帯には、金融機関の口座振り込みなどで12月21日から支給が始まる予定。

　今回申請を必要とするその他の世帯には12月上旬、申請手続きなどを記した案内を送付する。対象となる子どもは約1万1000人と見込んでいる。案内に従って申請した世帯には、12月下旬からの給付開始を予定している。

　申請期限は来年の2月28日まで。期限直前に転入したり出産したりした子どもの場合は、3月15日ごろまで窓口で受け付けるという。

　今年6月に1人当たり5万円の子育て世帯生活支援特別給付金が支給された。このときは児童扶養手当の支給、住民税均等割が非課税で児童手当か特別児童扶養手当支給などの条件付きだった。今回の追加分は「コロナ禍で食費の値上がりなど物価高騰に直面する全ての子育て世帯」が対象となり、所得制限などのない一律支給に踏み込んだ。

　総事業費は約5億2500万円。このうち国の新型コロナ感染症地方創生臨時交付金3億3700万円に、市独自で1億8900万円を上乗せして実施する。

補正予算案を可決した西東京市議会第5回臨時会（本会議場）

【乳幼児へのコロナワクチン接種】

　生後6ヵ月から4歳までの乳幼児に、コロナワクチン接種を始める。対象となるのは約7000人。接種券の全対象者への一斉送付は止め、印刷内容が外からは見えない圧着はがきの個別発送で情報を提供し、保護者の判断で希望する人にだけ接種券を発送する。担当の健康課によると、接種券を希望者だけに個別発送するのは、多摩地区では11月1日時点で各市のホームページを調べた限りでは東村山市、武蔵村山市と西東京市の3市という。

　これまで市内の5歳～11歳の接種率が約20％に止まっている現状などから、実際に接種を受ける乳幼児は700人～1000人と見込んでいる。

　接種回数は3回。ファイザー社製のワクチンを使用する。
　接種間隔を11週程度とすると、今年度中（2023年3月末まで）に3回目を終えるには、来年（2023年）1月15日までに1回目を実施する必要があるという。実施するのは市内の医療機関での個別接種に限り、集団接種は計画していない。

【中小企業向け高効率空調機器設置助成】

　この空調設備機器設置事業は、個人事業主を含む市内中小企業の空調設備を高効率の機器に更新するための費用を助成する。物価高騰による負担の軽減を図るとともに、省エネを進めて、市が今年2月に脱炭素社会を目指した「ゼロカーボンシティー」宣言への取り組みを促進する狙いという。

　設置に要する費用（機器代と設置費）の2分の1の補助が基本。しかし市内業者からの購入だと4分の3の補助となる。業務用の電気式パッケージ形とガスヒート式の空調機は助成の上限総額は40万円、市内業者から購入すると同60万円。ルームエアコンは15万円（同20万円）。補正予算額は40件分を見込んで1600万円となっている。

　これはもともと、7月の補正予算（第5号）に地球温暖化対策事業の一つとして計上された。当初の申請件数は80件と見込み、事業費は2400万円だった。ところが8月1日に開始すると10月20日現在、申請は70件、総額2200万円となって、来年1月末の期限までに予算を超える勢いとなった。特にパッケージ形とガスヒート式の高額な空調機器の申請が想定を超えた。このため新たに追加することになったという。
（北嶋孝）

【関連情報】
・一般会計補正予算第10号の各種事業（西東京市Web）
・乳幼児（生後6ヵ月から4歳）への新型コロナワクチン接種について（西東京市Web）
・令和4年度市内中小企業者等高効率空調機器設置助成事業（西東京市Web）
・令和4年度一般会計補正予算（第5号）及び同説明書（西東京市Web）