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連載

西東京市の散歩道

第2回 東大生態調和農学機構(農場)-田無演習林-いこいの森公園

2015年3月5日 萩原恵子

萩原 恵子(屋敷林の会、下保谷の自然と文化を記録する会)


 

散歩マップ◆東大生態調和農学機構(農場)

 

西武新宿線の田無駅から街の喧騒を抜けて北へ徒歩8分。教育研究機関としての東大農場(22.2ha)と演習林(9.1ha)がある。1929(昭和4)年に当時の田無町に開設され、2003年に千葉への移転が発表されながら07年中止に。以来急速にキャンパスの整備が行われている。演習林の正門から東に、農場を南北に分断する形で都道が通る予定。敷地の一部も売りに出されるので、緑地確保のため市に買い取りを願う市民の動きも活発化している。

現在は、ポプラの並木の下に牛がのんびりと草を食み「町の山里」と呼ばれた数年前の姿はない。しかし水田の上を水鳥が飛び交い、耕作後のヒマワリ畑にカワラヒワやムクドリが群れている様子は、まだまだ山里の風景を思い起こさせる。

一般の人の見学は平日火~金曜の9時~16時30分(土・日除く)。場所が限定され、見学規則もあるが、この農場と演習林ほど見どころのある緑地は市内にはない。桜の木の下でそよぐ風を感じながら鳥を見て過ごす時間は、贅沢そのもの。

また、毎週火曜日9~16時、農場博物館がボランティアによって公開されている。明治期の農学校時代から最先端のヨーロッパ製などの農具が持ち込まれたのであろう。一般の郷土資料館の農具とは一味違った展示物だ。

土日に特別公開される日がある。農場の観桜会、昨年は4月5、6日。観蓮会(ハス見本園の公開)、昨年は7月25、26日。ひまわり迷路、昨年は8月12~28日の水・木曜。

東大農場
東大農場。この数日後に背の高いポプラの木(中央左)が伐採された
観桜会。農場の正門を入るとすぐに桜の並木がある
農場西側にある農具博物館。以前、牛舎として使われていた建物
演習林の庁舎。80年以上前の建物で趣がある
演習林5月。なんじゃもんじゃの木の花
演習林初夏。オオタカの幼鳥が親を呼んでいた
演習林9月。つる性のセンニンソウの花
演習林秋。見事に紅葉するモミジ
演習林11月。ピンオークの葉。形がユニーク
演習林12月。ハンカチノキの実
演習林の切り株広場
いこいの森公園の案内図
いこいの森公園の桜も種類が多い
いこいの森公園のビオトープ
いこいの森公園の秋。演習林のメタセコイアが借景に
いこいの森公園の秋冬。十月桜が咲く(すべての写真は筆者提供 禁無断転載)

 

◆田無演習林

 

所沢街道の分岐点六角地蔵前が正門。門の脇にはクスノキの巨木が、外気や騒音をさえぎるようにそそり立つ。この入り口の、天を覆う鬱蒼とした緑の奥にぽっかり空間が見える。そこに進むと古風な庁舎が目に入る。見学の際はまずここで見学ノートに記帳しよう。ここから見学路を行くのだが、木には名札が付いているので、1本1本確かめながら歩くと飽くことはない。林の草本類は武蔵野由来の野草。耳をすませば鳥の声。オオタカが営巣している時は幼鳥の声も。昨年は2羽生まれたそうだが、カラスに襲われ1羽しか巣立たなかったとか。

ここのお薦めは切り株広場。武蔵野のおもかげを残すアカマツが10本ほど。さらに周囲には、ベニシダレ、イトザクラ、マメザクラ、ヤマザクラなど多種のサクラ。秋はモミジ。イロハモミジ、ノムラカエデ、オオモミジなど、見事な赤に染め上げられる。冬は定点観測すると、群れで来るカラ類が枝を飛び渡る。演習林は季節ごとに発見がある。

見学は、平日月~金曜の9時~16時30分(土・日除く)。日曜の特別一般公開は、ハンカチノキ、昨年は4月27日。ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃの木)、昨年は5月4日。カエデの紅葉、昨年は11月30日。

演習林の見どころ◆いこいの森公園

 

2001(平成13)年開園の合併記念公園(4.4ha)。ふれあいの場がコンセプト。西側に武蔵野の風景を再現するクヌギなどの雑木林や梅林。北側にビオトープ。中央が草地の広場で、防災時のヘリポートにもなる。東側にスケート広場やボール広場など若者向けの施設があり、原っぱ広場を取り囲むジョギング走路も。多彩な機能を盛り込んだ公園。

植栽で特徴的なのは、桜の種類が豊富だということ。公園アプローチにはソメイヨシノとカワヅザクラが交互に。さらに入り口からベニシダレ、カンザクラ、エドヒガン、ジュウガツザクラなど、咲く時期が違うので長く楽しめる。広場のイボタノキ、ザイフリボクなどの木も面白い。

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萩原恵子

はぎわら・けいこ

 石巻出身。震災以後、友と石巻の応援ブログを細々続ける。「地域博物館を創ろう連合会」事務局担当。下保谷の自然と文化を記録する会会員。元「屋敷林の会」代表。校正者。著書『タヌキの伝言』(けやき出版)、松田宗男と共著『武蔵野鉄道が通る!』。

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